海外FXを利用していてもっとも煩雑かつ、気を遣うことになのが出金です。
取引しているときには全く意識しませんが、海外に持ち出して資金運用しているものを国内に戻す作業をすとなると、さまざまな制約に直面することになるのです。
とくに出金に関しては、これまで様々なオンラインペイメントシステムを利用できるように業者側がサービス利用を可能にする設定を行ってきました。
しかし2016年以降、国内に居住する日本人がこの手のサービスを利用するのには猛烈な制約がかかるようになっており、それを受けて各業者が日本人に提供する出金サービスも驚くほど絞り込まれる状況になってきているのです。
この出金サービスの状況変化は、毎日のように海外FXを利用しているものでさえ、その変化に驚かされるほどです。
海外FX業者からの出金を考えるのであればこうした状況の変化を粒さに理解し、それに応じる形で適切に対応することが重要になるのです。
海外FXの出金に関する記事一覧
もくじ
■基本的な出金はクレジットカード経由と、銀行経由の海外送金
国際的なマネーロンダリングへの取り組みから、送金した資金というのはできるだけ元のルートを通じて返金するというのが海外FX業者にも定着してきています。
最初から海外送金で入金したものは、すべて同様に海外送金で出金することになりますが、クレジットカードやデビットカード(プリペイドカード)で入金したものはそれと同額まではカードに返金する業者が増えています。
現実的には支払いのキャンセル処理という形になりますので、入金と同額まではこのルートで返金ができることになるのです。
これは手数料のかからないものですから利用者にとっても非常に好ましいものといえますが、当初入金分を超えた部分についてはこのルートは利用できないことになります。
したがってほとんどの海外FX業者では、カード入金の残りの利益部分は銀行を使った海外送金という手立てを利用するしかなくなっています。
■海外送金の受取銀行口座は比較が必要
海外送金は、業者の名前で自分の口座に送金する形になるわけですが、実は様々な送金コストがかかることになります。
送金する銀行に取引手数料がかかりますし、中継銀行と呼ばれる実務のトランザクションを行う経由銀行のリフティングコストもかかります。
そして着金する国内銀行は、さらに別の取引手数料を請求してくることになります。
最近では多くのFX業者は、送金を送り出すときの銀行コストは負担してくれるようになっていますが、一部の業者はそれすらもユーザー負担としてきますので着金までには非常に高いコストがついて回ることになります。
国内での着金手数料を取らないソニー銀行を利用しても、中継銀行のリフティングコストはかかりますので、業者が送り出しのコストを負担してくれても最低一回の送金に2600円から4000円ぐらいの費用がかかってしまうのです。
しかも送金手数料さえユーザー負担とする業者の場合、一回で6000円以上の負担を強いられることは日常茶飯事です。
せっかくFXをやっているのに、利益部分だけは結局市中のもっとも手数料の高い銀行経由で戻して、応分のコストを自己負担をするというのはなんともやりきれない話ですが今実態はそういうことになっているのです。
したがって、いかに着金まで金のかからない銀行を送金業務に選択するかがきわめて重要になります。
海外FX専用のコストのかからないトレード口座を開設することが必要なのです。
またコスト以前の問題として新生銀行やみずほ銀行、そして一応銀行の看板は掲げているものの中味は依然郵便局に近いゆうちょ銀行は海外FX業者からの着金受付をしていません。
そもそもこうした銀行を選択してはいけないことになります。
さらにジャパンネット銀行、じぶん銀行、セブン銀行、らくてん銀行、住信SBIネット銀行など銀行業を名乗っていても、海外との送金業務のプロセスを社内業務に一切もたない国内専業行は中継銀行も契約していませんからそもそも受け取れる仕組みがないことも理解しておく必要があります。
■オンラインペイメントやビットコイン出金は全滅
ネッテラー口座やSkrillといったオンラインペイメントは、これまでかなり普及し海外業者もおおくがサービス利用できるように設定してくれたものでしたが、2016年改正犯罪収益移転防止法が施行された時期にあわせて、金融庁がこうした業者にプレッシャーをかけるとともに、カード発行でデビットカードの仕組みを提供していたマスターカードに相当な圧力をかけたことから、とうとうこうしたサービスは現状では国内に居住する日本人投資家の利用が完全にできなくなっています。
また仮想通貨の代表的なものである「ビットコイン入金」というのもXMなどはいち早く導入しましたが、当初はビットコイン入金分は同額出金できるとしたものの価格に猛烈なボラティリティが発生するため、正確に同額返金ができなくなってしまったことから現状ではひっそりとそのサービスも姿を消しています。
このようにここ1~2年で電子マネーをはじめとするオンライン上での出金の手立ては驚くほど減りつつある状況です。
■新たなオンラインウォレットを利用した出金の仕組み
こうした厳しい選択肢激減の状況のなかで一部の海外FX業者はさらに新しい、利便性の高いサービスの導入を行い始めています。
それがオンラインウォレットと呼ばれるもので、実質的にはオンラインペイメントに酷似したサービスですが、ネット上の特定国に紐づかないウォレットを設定し、日本円、ドル、ユーロなどを収容しておくことができるサービスとなるのです。
これを利用すれば国内銀行に送金する一歩手前で資金を保管しておくことができるのです。
XMなどがすでに先行導入しているのはMybitwalletとiAccountで、Mybitwalletは国内銀行出金時には国内の業者から一回824円で出金されることになるためいわゆる海外送金の扱いにならずネット専業銀行のセブン銀行や楽天銀行などにも簡単に送金が可能です。
もともとMybitwalletは国内から海外へのFX証拠金送金の決済代行業者をおこなっていた経験から商品サービスの開発をしていますので非常に利用し易いものになっています。
またiAccountでは一旦金融庁にぶち壊しにされたマスターカードベースのデビットカードではなく無記名のプリペイドカードを利用することでセブン銀行ATMなど国内の銀行以外のATMから出金ができる仕組みを導入しています。
この二つのサービスはまたかなり掟破りの感がありますがFXの海外からの出金をかなり意識して作られているサービスだけに使い心地は満点で、なかなかよくできているものといえます。
したがって利用する業者にこうした設定があれば、銀行経由の送金よりも先に利用されてみることがお勧めとなります。
また最近では、注目のSTICPAYというサービスも出ています。
様々なサービスが出てくるので、常に最新の情報を検索するようにしてください。
■主要海外FX業者の出金方法一覧
XM
XMは出金できる方法がかなり短期間に入れ替わっています。
現状ではクレジットカード(入金金額分)、銀行海外送金、Mybitwallet、iAccountのいずれかとなっています。
出金手数料は銀行を利用した海外送金は200ドル(2万円相当以上が送金コスト業者負担となります。
ただし受け取り側のコストは自己負担となります。
それ以外の出金には基本的に手数料はかかりません。
オンライン決済サービスがすべて削除され、直近ではセーシェルのアカウントについてはビットコイン出金も消えていることがわかります。
TitanFX(タイタンFX)
出金方法は、クレジットカード、デビットカード(証拠金入金分)、銀行経由の海外送金、Mybitwalletが利用可能です。
業者のホームページにはNettellerとSkrillの出金も可能となっていますが、この二つのオンラインペイメント事業者は国内では既に機能していませんから利用できないと考えるべきです、。
このあたり日本国内の状況を正確に掌握していない点が気になります、。
手数料はすべて業者負担となります。
同社もビットコイン出金はリストからひっそりと消えています。
IronFX
IronFXは日本で発行されたクレジットカードには対応していないため当然出金もできない状況です。
現所では海外送金による出金以外はルートがないのが実情です。
銀行送金の場合には最低引き出し額は5000円で、送金側のコストはIronFXが負担してくれますが、受け取り銀行によってはこの金額では着金した時になにも残らない可能性もありますので十分注意が必要です。
FBS
(FBSの解説⇒)
FBSも直近で出金ルートが結構変わった会社のひとつです。
出金はVISAカード(手数料1ドル)、Mybitwallet、海外銀行送金、Perfect Money,OKPay,Bonsai Traderが設定されています。
このうちPerfect Money等のオンラインペイメントは国内で利用するのは基本的にかなり難しい状況で、もっともお金がかからないのはMybitwalletです。
こちらは日本円にして送金されますので無駄がないのが特徴となります。
iFOREX
出金は入金時にクレジットカード、デビットカードを利用した場合にはその入金額まではカード経由で出金が可能。
それを超える利益部分は銀行利用の海外送金でそれ以外の出金ルートは用意されていません。
■海外FX業者の出金についてのまとめ
海外FX業者を利用して得た利益を国内に戻すのには、かなりの費用がかかります。
本来FX取引ですからもっと安く国内に入金できてしかるべきなのですが、現状の金融機関を使った為替送金取引は偉くコストフルで、それが海外FX取引の結果にも重くのしかかっている状況です。
さらにオンラインペイメントのサービスをマネーロンダリング防止を口実に悉く日本の金融庁に潰されたことから、足元で残っている有効なサービスは極めて少ないことがお分かりいただけると思います、。
ここまで各社の対応をみてみますと、Mybitwalletのサービスを実装している業者はもっとも送金コストがかからないということになります。
そういう意味ではXMやFBSはかなり好感がもてる存在ですが、それ以外の業者に関しては日本の顧客のことをほとんど意識していないのではないかと思われる設定内容となっています。
業者を選択する場合には、こうした取引条件を十分加味して選択したいところです。
また出金ルートはここのところ短期間に目まぐるしく変化しており、あったはずのサービスも知らないうちにすっかりなくなっていることが目立ちます。
つねに最新の情報をチェックすることをお勧めします。