いよいよ2018年3月8日に、これまでのXMユーザーが利用していた既存のサーバーの利用ができなくなり、XMTradingが立ち上げた専用サーバーだけを利用して取引することになるのですが、アジアの主要拠点においたミラーサーバーとロンドンのメインサーバーを専用線で結んだ新たなシステムネットワークは、実際に使い始めてみると事前に言われているほど売買が早くなく、まだ、ファインチューニングができていないのではないかと思う状況が続いています。
そこで今回、これまでほとんど利用したことがなかったXM提供のMT5で取引をしてみたところ、チャートの表示も約定も飛躍的に早くなるという結果を得ることができました。
今回は、そんなXMTradingのMT5利用について改めて考えてみることにします。
もくじ
■MT4の後継ツールがMT5
MT5はMT4同様に、キプロスに本社をもつメタクオーツ社が開発したFX,CFD等の売買ツールのシェアウエアです。
もともとロシアの会社という印象が強かったのですが、今はヘッドオフィスをキプロスに置いているグローバルカンパニーとなっています。
世界で同社の取引ツールは、既に4000万人以上が利用しており、日本でも100万人以上がMT4を利用していると言われています。
しかし2005年にローンチしたMT4から5年経過した2010年に、MT5がローンチされたにも関わらず圧倒的にMT4のユーザーが多く、MT5というのは提供されるEAやインジケーターも少ないことから、正直なところ登場からすでに9年目に入っているにも関わらず、市場の関心は高いものになっていないという不思議な状態が続いているのです。
ウインドウズで言えば、Windows7導入後どれだけ新しいバージョンが登場しても、利用者がアップグレードを行わないのと同じような状況といえます。
幸いなことに、メタトレーダ社はきちんとMT4についても必要なサポートは行ってくれていますから、利用にあたっては特別問題は生じていませんが、ソフトウエアの業界のことをご存知の方なら、かなり特殊な状況であることはご理解がいただけるものと思います。
■導入している海外FX業者はごくわずか
このMT5、実は導入している海外FX業者はごくわずかで、XM以外にはFBS,FX Proぐらいしか利用できるところはないのが実情となっています。
MT4とMT5の比較、メリット・デメリットはこれまでにもさまざま語られてきていますが、ごく簡単にいいますと次のような違いがあることが理解できます。
●時間足に大きな違い
MT4
時間足は9種類
(1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足)
MT5
時間足が19種類でスキャル、デイトレにはより使いやすい設定に
(1分足、2分足、3分足、4分足、5分足、6分足、10分足、12分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、4時間足、8時間足、12時間足、日足、週足、月足)
●ツールの動作
MT4:相対的に遅いが低スペックPC等でも利用可能
MT5:早い 一定のメモリ搭載のマシンを要求するが明らかに早い
●インジケータ管理
MT4:多数利用した場合には管理が少し面倒
MT5:フォルダ毎に分けられる機能をもつため管理しやすい
こうしてみると、EAを使った自動売買や特別なボタンの設置など売買ツールをカスタマイジングするということで見た場合、依然としてMT4のほうに大きなアドバンティジがあることがわかります。
しかしこうしたEAや特別なインジケータを使わない、ごく普通のデイトレやスキャルピングに使うだけなら、どうもMT5にもそれなりのメリットがあることが感じあっれるわけです。
■MT5継続導入にはそれなりのメリットがあるから
なかなか普及が進まないMT5ですが、メタクォーツ社としては延々MT5のバージョンアップを手掛けており、使いやすさは随所で向上しています。
もともとMT4からMT5へとバージョンアップするときに、全くソフトウエアとしてのロジックが異なるものとしてしまったのが実は大きな問題でもあるのですが、やはり新しいソフトウエアは確実に取引に有利な部分を増やしているようで、MT5の利用も決して見逃してはならない状況といえます。
■実際にMT5とMT4を使い比べてみた
XMTradingが提供するMT5とMT4を、同じ通貨ペアで使い比べてみました。
動画で撮影してみたものではないので若干わかりにくいところもありますが、まず同一通貨ペアですとチャートは明らかにMT5のほうが早く動くことがわかります。
つまりMT4よりも先に、相場の値が表示されるのです。
これはちょっと驚きですが、売買ツールだけでなくサーバーとの親和性やチューニングがMT5のほうが優れている印象を持ちました。
実際の約定も試してみましたが、個別の取引環境でかなり異なるとは思いますが、私の利用しているブロードバン後環境ではMT5で取引したほうがスムーズで、約定も明らかに早いことが確認されています。
恐らく今後XMTradingのサーバーもより的確なチューニングが施されることになるでしょうから、MT4でも問題なく取引できる状況が整うものと思われますが、今のところに関しては明らかのMT5を利用するのが有利な状況といえます。
■ソフトのサイズは大きいが最近のPCではほとんど気にならない
MT5をインストールしてみますと、確かにあきらかにソフトウエアとしてのサイズは大きく、メモリもそれなりに食うことが実感できますが、特別ハイエンドなPCでなくても最近購入したモデルでウインドウズ10が実装されているものならば特別気にしなくても普通に稼働することが確認されています。
確かにMT4でカスタマイジングした内容をそのままMT5にトレースしようと思うといろいろ制約が発生することは間違いありませんが、こと取引スピードというものにフォーカスするのであればMT5をあえて利用してスキャルピングを行ってみるといった方法も十分にありうる世界であるということができそうです。
一台のPCにMT4,MT5を両方インストールして使い比べてみることも可能ですから、あえて両方使いこなしてみるというのも一つの考え方です。
XMの場合にはサーバーのシステムのアクセス性を高める努力をXMが相当真剣に行ってくれているのは事実ですが、やはりそれで足りないパフォーマンスについてはあらゆる方法を駆使してユーザー自らがその時々のベストな状況を作り出して利用するという積極姿勢が必要になります。
取引スピードの問題は短時間取引を主体とするトレーダーにとっては死活問題になりかねないテーマですから、MT5を使ってみるというのも一つの選択肢としていくのがやはりお勧めです。