もくじ
■XMで走らせる自動売買EAを暴落時に止める裏技
2019年1月3日、まだ正月気分も冷めやらぬ朝の7時半ごろに突然ドル円が暴落をはじめ、クロス円も巻き沿いを食って大幅下落を余儀なくされてしまったのはまだまだ記憶に新しいところですが、一般社団法人 金融先物取引業協会が発表した速報での顧客損失額は、店頭FX業者、取引所FX業者の個人をあわせると現状で判っているだけで6389名ほど出ており、金額総計は8億800万円と、ひとりあたり12.6万円ほどの追証を求められる結果になっていることがわかりました。
詳細は以下のとおりですが、これは損失額ではなくて証拠金を失ったうえにさらに請求される追証金額ですからからかなり深刻であることがわかります。
ここで開示されている数字は追証が発生して支払いができていない個人投資家の数だけですから、実際に追証が発生した顧客数はこれよりもはるかに多いはずで、追証は免れたものの強制ロスカットでほとんどの証拠金を失ったトレーダー数はさらに膨大な数に上っていることが容易に想像できる状況です。
具体的な数字はどこからも公表されていませんが、実はリピートイフダン系の仕組み売買と呼ばれるようなもので投資されていた方の損害はかなり大きいようで、たった5分間で4円とか5円近い下落が生じたわけですから、仕組み売買や自動売買で長い時間足を利用していたものは自動停止させるすべもなく強制ロスカットさえ飛び越えて大きな損失を出してしまったようで、利用者にとってはまったく想定外の事態になってしまったようです。
こうしたことから国内業者でリピートイフダン系の取引をしていた個人投資家がゼロカット方式で投入資金以上損失が発生しないXMのような海外FX口座においてMT4の自動売買を利用した取引に乗り換えようとする動きもみられはじめています。
ただ、国内業者でリピートイフダン系の取引をするのと違い、設定から運用まですべて自己責任になりますからゼロカット方式のシステムが稼働するといってもまさかのときにどのように取引を停止させるかについてはあらかじめ十分に理解しておくことが必要になるのは言うまでもありません。
そこで今回は、XMで走らせる自動売買EAを、まさかの暴落時に止める裏技についてご紹介していくことにいたします。
■XMでMT4を利用してEA自動売買を稼働させる方法
まず簡単にではありますが、XMでも利用されているMT4にEAの自動売買ソフトを、どのようにインストールしたらいいのかについてご紹介しておくことにします。
EA・自動売買の入手先としては・・
1)EAの専門配布サイト
2)国内外の掲示板など
3)トレーダーが公開しているブログ
4)自分で開発
などの方法が考えられますが、たとえばドル円の売り専門のリピート系EAなどと検索エンジンでかければかなりの量のソフトにありつくことができます。
このEAは有償で高ければいいというものでもなく、無償でも非常に儲かるものもありますからとにかく巷の評判をしっかり確認して入手することが重要です。
・インストールの方法
若干専門的な話になりますが、EAのソフトの拡張子はmq4か.ex4となっており、ダウンロードするときのファイス形式はほぼmq4となっています。
mq4ファイルならば、MT4へインストールすると自動的に.mq4のフォーマットにコンパイルされますから.ex4ファイルが生成されます。
この辺りは全く気にしなくてもインストールだけ確実にすればOKということになります。
・メニューウインドウのファイルからデータフォルダを開くをクリック
XMのMT4のメニューウインドウの一番左のファイルをクリックし、その中のデータファイルを開くをさらにクリックしていきます。
このファイルをクリックしますと、パソコンの中のデータフォルダが開き、さらにその中から上のMQL4をクリックしてExpertのファイルを開いていきます。
ここにインストールしたいmq4ファイルを、ドラッグして入れてあげれば利用可能になります。
MT4は再起動することが必要です。
きちんとインストールされた場合には、ナビゲーターのウインドウにその名称がでてきますので、それをクリックしてあげて稼働を開始すればすぐにスタートすることができるのです。
もちろんリピートイフダンのような売買の場合には、売買方法の設定を同時ぬい行うことが必要です。
■EA・自動売買を暴落を察知して緊急に止めるには
EA・自動売買は前述のナビゲーター上で、止めたいEAをクリックして動きを制止させれば簡単に止めることができるわけですが、1月3日のような暴落でどうも相場の様子がおかしいと思った時には、正規のプロセスでのんびり止めていたのでは間に合わないという問題が生じてしまいます。
この正月暴落の時も、ほぼ数分前からドル円の挙動がおかしくなり始めているので、かなり機転が利くトレーダーならまず自分で一旦自動売買を止めることはできたはずです。
具体的にこの方法を考えますと次のようになります。
1)とにかく自動売買を停止させる
EAをすべて一時提示されるのは比較的簡単です。
MT4のメニューバーにある自動売買のボタンをクリックすれば、すべてのEAが自動停止して機能しなくなります。
↓
ボタンをクリックして停止すれば赤いマークが現れますので、まずは新しい取引は進行しないことになります。
ただし既に自動売買ソフトのEAが自動的に生成したポジションについては、この自動売買ボタンを押すことでリカクも損切もしなくなりますから、自分でなんとかロスカットの処理をする必要がでてくることになるのです。
2)自宅のPCでEAを走らせておけばMT4を閉じた途端に自動終了
もうひとつ掟破りの方法としては、VPSのように常時稼働しているサーバーではなく、あえて自宅のパソコンのMT4にEAを稼働させておくということが考えられます。
もちろん電源消失によりパソコンが稼働しなくなった、あるいはネット接続に障害がでたという時のために安定化電源装置や複数のネット接続方法を確保しておくといった必要はありますが、こうした状況は年に何度もある話ではありませんから、一定の用意だけできていれば問題なく対応できるものです。
逆に接続できなくなると売買できなくなるという部分を利用すれば、相場の暴落時に自宅パソコンのMT4をいきなり閉じてしまえば、実はEAはまったく稼働しなくなるのです。
この場合でもすでに生成されてしまっているポジションは、自分で損切なりリカクなりの処理をしないと、どうにもならないことは覚えておく必要があります。
3)まさかのときの強い見方One Click Closeをインストールしておく
実はまさかの時に、もっと強力にすべての保有ポジションを強制的にクローズさせてしまうという手立ても存在します。
それがOne Click Closeというボタンを事前にインストールしておくことなのです。
これはこのコラムでもご紹介していますが、こちらの機能もEAとなります。
以下のサイトで無償で公開されていますので、あらかじめダウンロードしてインストールすれば即利用可能となります。
https://tasfx.net/wp-content/uploads/2015/09/OneClickClose.ex4
このボタンの黄色いClose Allをクリックしますと、自分で裁量取引で作ったポジションでも自動売買で作ったポジションでも、とにかく売りも買いも保有しているポジションをすべて一括決済してくれますから、とにかく暴落でいくらの損失になるか判らないもののすべてのポジションを切ることで、なにがしかの証拠金を残したいと思う時にはこのボタンをあらかじめ実装しておき、まさかの時にワンクリックすれば解決することになるのです。
さすがにそうしたEAの敗戦処理のために、このボタンを利用するということが頭に浮かぶトレーダーは意外に少ないと思いますが、こうした使い方もあるというわけです。
したがってこのボタンさえ実装されているならば、EAの自動売買を切るボタンよりも先に押してしまい、ポジションをクリアにするのがお勧めとなります。
逆にEAボタンを先に切ってしまいますと、このボタンが作動しなくなりますから十分に注意が必要です。
またこのボタンは間違って押してしまいますと、本当にすべてのポジションを閉じてしまいますので、間違ったと思ったらMT4自体を閉じますと一部の終了を阻止することができることもあります。
■まとめとして
モータースポーツの世界では、レーシングカーに外側から燃料の供給を絶つキルスイッチというものが装備されており、火災などの場合でも外からドライバー以外の人間が非常事態時に操作できるようになっていますが、ここでご紹介した方法やボタンの設置は、まさにそれと同じ仕組みと思えばいいのではないでしょうか。
ここまでのボタンや操作を事前に覚えておけば、国内店頭FX業者でループイフダンのような仕組み売買を利用して大きな損失を被るよりも、かなり安全にXM上で同様の仕組みを利用できるEAによる自動売買が可能となります。
ただ一つ重要なのは、どの操作もリアルタイムで画面を見ていることが必要になるということだけは覚えておいていただきたいと思います。
不在時に起きた暴落は、やはりゼロカット方式のお世話になるしかないのが現状です。