最終更新:2020年2月25日
オンラインペイメントは、海外FXでも資金の入出金に低コストで利用できることから、いち早く利用が進みました。
海外FX利用でコンスタントに利益を上げる個人投資家からは、単に海外送金よりもコストが安いということよりも、むしろ「国内の金融機関に出金されない方法」という点が非常に注目を浴びることになりました。
その一つが、ネッテラーのデビッドカード出金でした。
これは国内の金融機関を一切経由しないで、デビッドカードに出金ができる仕組みでした。
実は、この日本国内の金融機関を経由しないで現金を引き出せる方法に、もっとも利用者が注目していたことは間違いありません。
すべての利用者が脱税を目指していたというわけではないと思いますが、多額の資金を海外から自らが自分の口座に送金しますと、税務当局に疑われる話になり、その金額が大きくなればなるほとややこしい問題が起こることになります。
そのため税務署に手をかす金融機関を通過しないで、国内に資金を戻したいと考えるトレーダーが非常に多かったことは事実であろうと思います。
しかしこのネッテラーのデビッドカード利用が、2016年後半に突如として使えなくなりはじめ、それを契機として多くの海外FX業者が出金手段からドロップさせることになり、今ではこうしたオンラインペイメントの仕組みはほとんど使えない状況になってしまっているのです。
しかしそこにいきなり登場して、注目を浴びる存在となっているのが、STICPAY(スティックペイ)のサービスです。
もくじ
■ネッテラーの仕組みをほぼ受け継ぐSTICPAY
STICPAYは、オンラインペイメントの新しいサービスであり、2つのカッティングエッジな機能を提供しています。
海外送金ではなく現地銀行出金で短期間に受け取り可能
現地銀行出金機能というのは、同社によれば世界初の仕組みとのことです。
通常海外送金では、中継銀行を経由して最短でも4日程度、国内銀行への送金なら2600円程度、場合によっては5000円以上の着金コストがかかります。
これをSTICPAY提携の国内銀行から、国内送金の形で振り込みしてくれるのが大きな特徴といえるのです。
海外FXは、見かけは国内FX業者の売買と同じように見えますが、国外に資金を持ち出してそこで売買をして、その利益を再度国内に持ち帰ることをしていわけですから、海外からの出金はそれなりに手間と費用がかかるものです。
とくにFXという為替取引をして、毎回10銭~20銭といった細かい数字から利益を上げる売買を延々とやっているのにも関わらず、それで儲けた利益を通常のバカ高いコストの海外送金で日本に送り返してこなければならないというのは、実に腹立たしいものがありますから、このような早くて安い送金方法を提供してくれるのは実にありがたい存在といえます。
この場合、取り扱う銀行も海外送金とはまったく気づかない状態で、国内への振り込み処理をする、といった形で取引ができます。
海外からの送金で、一回100万円を超えるような着金を繰り替えすと、もともと自己資金であっても税務当局からいちいち探られる、というリスクが大幅に軽減することになるわけです。
STICPAYが利用できる海外FX業者
今現在、STICPAY提携により利用可能な海外FX業者は、XM、TradeView、MyFX Markets、LandFX、GRMFOREX、Titan FX です。
利用できる業者が徐々に広がりをみせています。
XMTradingではbitwalletは入金額以上出金ができなくなりましたので、STICPAYを使って入金をすることでこのサービスから出金ができるようにすることが重要になります。
(通常では入金からこのサービスを利用しませんと出金をすることができませんので注意が必要です。)
■STICPAYに新たな入出金機能が追加
最近になってSTICPAYに新しいサービスが登場しています。
それが仮想通貨ウォレットと、イーウォレットによる両替機能、さらに仮想通貨から法定通貨への両替機能となります。
現状でも仮想通貨から海外FXに入金するケースというのはかなり限られていますが、本来は仮想通貨を使って入金しますと時間もかかりませんし、実はもっとも海外FXの入金には適した部分をもっているのです。
それをSTICPAYはいち早く導入したということになります。
仮想通貨ウォレットの追加
仮想通貨ウォレットが実装されたことによりその名の通り仮想通貨での入金と出金が可能になりました。
現状で利用できるのはビットコイン、イーサリアム、ライトコインの3つでそれぞれ専用のウォレットを作成することができるのです。
仮想通貨の場合には法定通貨に両替するタイミングが極めて重要ですから、まずこのウォレットに入金しておき、ベストタイミングを狙って行替えして実際に海外FXでの入金資金に使うことができるのです。
こうした仮想通貨ウォレットによる入金は圧倒的にビットコインが多いと思われますが、イーサリアム、ライトコインも対象にしてくれているのがかなり親切な設定といえそうです。
イーウォレットと両替機能の追加
イーウォレットとは世界中で利用されているドルや円、ユーゴ、ポンドといった法定通貨を選択してそれぞれのウォレットを作成して管理することのできる機能です。
これまではアカウント作成時にどの通貨で管理するのかをあらかじめ決めなくてはならなかったわけですが、利用状況に応じて様々な法定通貨でのウォレット管理ができるようになり、しかもその両替も必要に応じて実施可能です。国内の個人トレーダーにとってはあまり関係ない話ですが、海外の投資家にとっては便利な機能といえます。
仮想通貨から法定通貨への両替機能
今回の機能追加でもっとも役に立つのではないかと思われるのが、仮想通貨を法定通貨に両替する機能が実装されたことです。
これまではビットコインなどで入金しますと、自動的にあらかじめ設定した法定通貨に両替がされていましたが、ご存知のとおり法定通貨との両替金額は大きく変動しますから有利に運ぶタイミングに両替するのが一番となります。
これが実際にできるようになったということです。
以上の3つの機能は、仮想通貨で入出金されませんとほとんどメリットを感じないものではありますが、かなりきめ細かい対応をしてもらえることがわかります。
たとえば対円でのビットコインの価格が低い時に両替しておき、国内の取引所に送金して上昇したときに法定通貨に換金すればそれだけで利益を増やすこともできるというわけです。
仮想通貨を利用される方は、一度試してみるとその便利さが判るはずです。
■STICPAYとMybitwallet、iAccountとの比較をしてみた
このSTICPAYは、オンラインペイメントのサービスでありながら、一定金額を蓄積しつつネット上のお財布として利用することのできる、いわゆるオンラインウォレットとしての役割を果たすことはご理解いただけるものと思われます。
さてここで気になるのは、同種のオンラインウォレットとしてネッテラーの後継を狙う他社のサービスと比較して、果たして優位性があるのかどうかという問題です。
最近FX業者の多くが採用をはじめている、MybitwalletやiAccountとの比較をしてみることにしたいと思います。
Mybitwallet
Mybitwalletは、日本人ユーザーが海外FX業者に国内銀行送金で入金をするための仲介業者として有名なイープロテクションズが提供するサービスで、もともとのこの会社の性格上、かなり海外FX業者との入出金上でのメリットを強く意識した商品サービスとなっているのが大きな特徴です。
海外送金のコストを下げてくれる、というオンラインペイメントがこのサービスの最大の特徴です。
実は資金をためることができるオンラインウォレットの性格もかなり強く、特定国の金融機関に依存しないオンライン上の資金貯蔵の仕組みをもっているため、Mybitwalletを採用している海外FX業者間の資金移動にも簡単に利用ができてかなり便利です。
本拠地はシンガポールですが、日本人の利用をかなり意識してサービスもサイトも作られていますので、使いやすいというのが大きな特徴です。
Mybitwallet公式サイト
https://bitwallet.com/ja/
たとえば、すでにMybitwalletを利用している海外FX業者のXM、FBS、Gemforexでいうなら、XMで888倍のレバレッジ上限となる2万ドル相当の証拠金を超えそうになったときには、一旦Mybitwalletに逃がして、相場に明確なトレンドがでるときにはFBSの3000倍のレバレッジ資金としてリアルタイムに投入することもできます。
また、月に何回か実施されるGemforexの100%ボーナスの実施時には、即座にこのアカウントに資金を移動させてさらに大きな証拠金として利用する、といったマルチな展開が可能になるのです。
このアカウントから国内の自らの銀行口座への出金は、イープロテクション名義で国内送金として振り込みされますから、国内銀行でもきわめて目立たない取引となるわけです。
今後マイナンバーの紐付けが厳しくなると、どこからの入金なのかをより税務当局に掌握されやすくなりそうではありますが、足元では海外送金に比べるとコスト的にもスピード的にも非常に速い決済が可能です。
この国内出金は、まさにSTICPAYと重なる部分で、コスト的にどちらにメリットがあるのかが気になりますが、Mybitwalletは一律824円となりますので、海外送金よりは劇的にそのコストが安くなりますが、出金する金額次第ではSTICPAYのほうが安く実現できるケースもあることがわかります。
このMybitwalletは、口座を無料で開設でき維持管理手数料もかかりませんので非常に使いやすいウォレットといえます。
ただしプリペイドカードの発行は行っていませんので、あくまで海外送金のコストが国内送金で安くなるというのが大きなメリットとなります。
現状で利用できるFX業者は非常に短期間に拡大中で、XMとFBS以外にもAxiory、Tradeview、TitanFX, Myfx Markets, IFC Marketsなどで利用可能となっています。
Mybitwalletは、ネッテラーのサービスを完全にカバーしたものが利用したいという人には、若干物足りないものと言えそうです。
Mybitwallet公式サイト
https://bitwallet.com/ja/
STICPAYと非常に近いサービス内容のiAccount
iAccountは、STICPAYと非常に近いサービス内容のオンラインペイメント・ウォレットサービスであり、こちらはプリペイドカードの作成利用が可能となっています。
こちらは現地銀行出金には対応しておらず、あくまで国際送金となりますから、国内で出金する場合にはやはりプリペイドカード利用が目玉となっていることがわかります。
MybitwalletとiAccountが両方揃うことで、STICPAYのサービス領域外をすべてカバーしていることがわかります。
したがってiAcccountの利用者は、完全に国内の銀行に送金するのではなく、あくまで発行されたプリペイドカードを駆使して国内で資金を出金することに特化したユーザーに絞り込んでおり、海外FXのユーザーにかなり的を絞っていることが窺えます。
また海外では、かなり取引条件の異なるものを提供しています。
たとえば、マスターカードの無記名プリペイドカードも登場するなど、国によって内容を微妙に変えていることがわかる状況です。
以上のことを踏まえ、STICPAY、Mybitwallet、iAccount、この3つのサービスのコスト関連を比較してみますと次のようになります。
全体的にみますと、取引の選択肢、コストの面からみるとSTICPAYが好ましいものといえます。
ただし、ここで一つ大きな問題になるのは、この3つのサービスをすべて実装している海外FX業者がほとんどなく、どれか1つ、もしくは2つ程度、そしてもっとも普及しているのがMybitwalletだけ、というなかなか厳しい状況となっていることです。
したがってユーザーがこれがいいと思っても、簡単に利用できないのが今一番の問題といえるでしょう。
結局3つのサービスを比較してみますと、国内銀行の自分の口座に振り込みをしてくれるサービスをとるか、一切国内の金融機関と接触せずにATMから無記名のプリペイドカードで出金するか、という選択の仕方でどのサービスにするかが決まってくることになると言えそうです。
プリカATM出金でいいますと、STICPAYのほうがどうやらiAccountよりも使い勝手がよさそうで、かなり期待できるサービスになっていることがわかります。
また仮想通貨で入出金するのであれば、迷わずSTICPAYを利用するのがお得な状況です。
■実際に申し込みをしてみた
実際にSTICPAYの申し込みをしてみました。
申し込みはネットで完全に完結させることが可能です。
基本的な属性情報を入力し、利用する通貨を設定すれば次に進むことが可能です。
口座開設をしてしまいますと通貨設定は変更できませんので、間違いなく日本円(JPY)を選ぶ必要があります。
ここでUSDなどにしてしまうと、余分な為替コストがかかってしまいますので要注意です。
入力が終わって次に進みますと、携帯SMS認証のページが現れますので、携帯にSMSを送ってもらい、その番号を入力して送信すれば申請は完了となります。
全体で、ものの2~3分で完了しますので、非常に早い登録です。
全体で2~3週間かかるようですが、よほどのことがない限り発行されないことはありません。
またカード申請にあたっては、パスポートの写しが必要になりますのでこちらも注意が必要です。
■まとめとして
STICPAYはその内容を競合するサービスと比較してみますと、かなり網羅性が高く、便利に、かつ安価に資金移動に使えることが理解できます。
現在利用できる海外FX業者がかなり増えています。
XMとFBS以外にもAxiory、Tradeview、TitanFX, Myfx Markets, IFC Marketsで利用可能。
オンラインウォレットに関しては、bitwalletの普及のほうが進んでいることから、これをどうキャッチアップできるかが今後同社の課題になるものと思われます。
それだけに国内の金融当局からも目をつけられやすい存在で、今現在の目立たぬ状態なら問題はないでしょうが、今後多くの利用者が出始めたときにどうなるのかも気になるところです。
オンラインウォレットとして資金を蓄えるということになると、この会社自体の信用力も問題になりそうですが、FX業者と違って為替の変動や金融の大きな変化があっても特別投資活動をしているわけではありませんので、それほど大きなリスクをかかえたビジネスとは思えませんので、企業として一定以上のスペックが維持されていれば安心して取引ができる存在なのではないでしょうか。
以上STICPAYについて、その内容を考察し競合サービスと比較してみました。
まずは登録だけでもしておくといいと思います。