海外FX業者としてはいち早く自社のブランドのデビットカードを設定し発行してきたXMでしたが、このカードいつの間にやら市場から姿を消すこととなってしまい、足もとでは利用できなくなりました。
いまだにXMカードをネットで検索される方も多いようですが、今回はこのカードのサービス内容の特徴とこれがなぜ利用できなくなってしまったのかについてご紹介していくことにします。
■いきなりカードだけ発行される不思議な存在
XMカードは3種類が用意されており、マスターカードのドル建ておよびユーロ建てと、HSBCの銀聯カードの三種類が利用可能となっていました。
このカードは実に不思議な存在として話題になりました。
通常デビットカードというのは特定の銀行口座に紐づいて発行されるわけですが、XMカードは利用申し込みをするといきなりカードが航空便で送られててきたのです。
これはよくよく調べてみますと、実はマスターカードが発行したものについてはキプロスの金融機関にXMが口座開設を依頼して、そこでできたカードだけを利用者に送りつけてきたのです。
ですから厳密には、出金額はキプロス国内に残っており、それをデビットカードで引き下ろすなり物品購入につかっていたことになります。
SBCの銀聯カードも口座の所在地ははっきりしませんが、同様のスキームになっていたことは間違いありません。
■XMカードのスペックについて
XMから発行されたデビットカードは、上位のようなスペックをもっていました。
もともと年間に2億も3億も引き出せるようなカートではありませんでしたが、一応月間で500万までは利用可能でしたから年間で最大6000万までは出金利用可能であったことがわかります。
また出金手数料は出金額の2%ですから、大きな金額の出金になりますとそれなりのコストがかかり海外送金よりも高くづくことが考えられました。
しかしこのカードの最大のメリットは、国内の金融機関を経由しないで国内でATMを利用して現金を引き出すことができるもので、保有金を引き出さない限りはだれからも見つからない特別なカードのような存在となったことから、非常に話題を呼んだのは確かです。
とくに海外FX業者が、自らのブランドでこうしたXMカードというものを発行したのはなかなか画期的な取り組みといえます。
■利用できなくなったのはマスターカードの問題
このXMカードがいきなり使えなくなってしまったのは、XM自体の問題というよりはサービスを提供してきたマスターカードへの金融当局からの締め付けが大きな原因となっているようです。
国内の銀行を経由しないでも資金を引き出せるこの仕組みは、国内の金融当局からかなり目をつけられてきたことは事実で、このマスターカードのデビットカードを利用してほぼ同様の仕組みを提供してきたネッテラーも、同時期に日本国内向けのサービスから撤退を余儀なくされています。
これは2016年に改正犯罪収益移転防止法が施行されたのを契機に、マネーロンダリングを盾にしてサービス提供の中止を金融当局がまずマスターカードに強く迫ったのが大きな理由で、結果としてマスターカードのサービス提供を受けていたXMもネッテラーのカードも同時期に完全に姿を消す格好になっています。
このタイミングを契機としてマスターカードは、デビットカード事業から撤退してしまいましたから、関係当局からの圧力がどれだけ強かったのかが感じられる状況です
ただ、このカードが国内の金融機関を通さずに海外送金を行わずに資金を出し入れできるように設計されていたのは間違いなく、ややもすれば脱税のツールになりかねないメリットを提供するサービスであったことは事実です。
このカードが終了した時点から、オンラインペイメントを出金に利用する海外FX業者が激減することとなり、銀行口座への海外送金しか有効な手立てが無くなってしまったことから足元ではそれに代わるサービスを海外FX業者がしきりに探していることがわかります。
今のところこれに代わるものとして注目されているのは、Mybitwallet(マイビットウォレットと呼ばれるオンラインウォレットの口座開設による利用で、カード発行はありませんが国内から自分の銀行口座に入金されるので、金融機関でも海外送金と違って目立たない存在である点が注目されています。
また、利用は限定的ですがiAccountと呼ばれるサービスでは、プリペイドカードを使って資金を引き出すことができるものも始まっており注目されます。
XMは広い意味で、日本の顧客がいかに効率的に資金の出金ができるかにもっとも気を配り注力している企業の一つですから、新たなサービスの取り込みに期待したいところです。
■まとめとして
海外FX業者の出金に利用できるデビットカードは、XMをはじめネッテラーもそのサービスが潰される格好となっており、今後ともこの出金方法の領域では便利なデビットカード利用がはかられる可能性は極めて低い状況といえます。
国内の金融当局も、XMをはじめとする海外FX業者が打ち出すサービスにかなり目を光らせているということがあらためて理解できるような出来事となったわけです。
海外FX業者を利用する個人投資家としては、Mybitwalletのように新たなサービスを提供する仕組みを有効利用できるように研究を続けることが重要になりそうです。
【XM公式サイトの各ページ】
お世話になります。
カードが無い為、
今、銀行振り込みで入金し、出金出来ない状況です。
XMが対応するカード会社を教えて下さい。
サーリさん、コメントありがとうございます。
銀行振り込みで国内口座に入金した場合には、海外送金で出金するかMybitwalletで出金するしか手がないと思います。
カードでは出金できません。そのあたりは記事にしているので、参考にしてみて下さい。
よろしくお願いします。