もくじ
■最大レバレッジトレードでのロスカットを考察
売買の方法でロスカットをどこでするかはある程度決まる
ロスカットについては、実にいろいろな考え方があります。
まず一般的には、リスクとリターンのバランスを考える必要があります。
10銭の利益をとりにいくスキャルピングのような売買手法で、30銭の含み損がでたら毎回ロスカットをしていたのでは、いくら取引してみてもちっとも証拠金が増えることはないと言えます。
したがってスキャルピングならば、とにかく間違ったと思った瞬間に損切するのが定石となります。
ただ、トレンドが出ている相場で1円をとりに行こうとするときに10銭下がったからといって、いちいちロスカットしていたのでは、これはこれでいつまで経っても儲けを獲得することはできません。
つまり売買の方法によって、ロスカットをどのようにするかが決まってくるものなのです。
こうしたロスカットに対する考え方は、個々のトレーダーが自らの証拠金との見合いでいくらまで損失を出してもいいかを考えて独自に決めることで、第三者がとやかくいう話ではないのが基本です。
証拠金総額の何パーセントまで失ってもいいかの自主ルールで執行
一般的には投入する証拠金総額から、その何パーセントまで失ってもいいかという損失に対する独自のルールとしてあらかじめ決めておき、その条件を満たしたらとにかく事務的に一旦損切するというのが非常に正しい方法となります。
長く市場に残っているトレーダーは、ほとんどこうした自主ルールを厳密に守っている人たちです。
逆に売買する通貨ペアの1日の値幅が、損失証拠金額に収まるように証拠金のほうを調整するという考え方もあります。
たとえばドル円がだいたい1日1円上下に動くとすれば、もっとも高値で買ったポジション1万通貨が最悪1円下まで下がって、含み損を抱えれば1万円の損失がでることになるわけですから、損失額が証拠金の5%というルールならば20万円投入していれば、損失は設定許容額の枠組みの中に入ることになります。
最初から損していい金額だけ投入するというハイレバならではの売買も
しかし888倍というハイレバレッジなら、1ドル110円ならばたったの1240円の証拠金しか使わないわけですから、20万円もの証拠金を投入しても資金利用効率は決してよくないことになります。
せっかく過少資金で売買ができるのがハイレバレッジの魅力ですから、発想を変えて、25倍のレバレッジ取引を行うときの20万円の証拠金のうちの損失許容額1万円だけを最初から元手にして、取引きを行うという全く逆の方法も考えられるのです。
1万円の証拠金でドル円1万通貨を888倍のレバで売買をした場合には、必要証拠金の残りは8700円見当となりますから、ドル円で87銭近くポジションと逆方向まで動いても何とか損切しないで耐えられることになるわけです。
しかしこのやり方にしても、やはり最初からどのレベルで損切りをするかは、あらかじめ決めておく必要があります。
スキャルピングなのに80銭以上下落するまでポジションを放置しておくというのは、取引ルールには合わないことになってしまうからです。
このように自分の作ったポジションを放置しておくと、1日いくら損害がでるかについてはしっかり理解しておかなくてはなりませんし、取引の方法から考えてどこで損切するかについても自主ルールを徹底して守ることが必要になるのです。
なによりいくらまで損失を出していいのかを割り出して、それだけを証拠金として売買するという方法もハイレバならば十分に考えられるのです。
■XM888倍のハイレバレッジでのロスカットの注意点
一番問題なのは、最初から損してもいいという金額だけを888倍の証拠金として投入してもポジションを作り過ぎてしまうことです。
上述のように1万円が1日の損失許容額であるとした場合には、1万円だけで888倍のハイレバで売買するとドル円なら最大で7万通貨ペア位まではポジションをつくることができてしまいます。
しかしこんなにたくさんポジションを作ってしまいますと、10銭相場が想定と逆の方向に動いただけで7000円の含み損ですから、即ゼロカットシステムのお世話になってしまい証拠金は一切残らない状況に陥ります。
つまり自分の作ったポジションを1日放置していたら、最大いくら損失がでるかをいつも考えて取引しないと、つねに過剰なポジション保有になってしまうのです。
■口座残高にいくらあればいいのか、ロスカット計算方法
25倍のレバレッジ取引ならば、自分が取引したい通貨ペアの取引数から考えて1日の最大振幅幅から見て、その損失額が証拠金の5%から10%以内に収まるように証拠金を残高に投入しておくことが望ましいことになります。
ドル円1万通貨なら、ほぼ1万円が1日の最大損失額ですから、
10.000円÷0.05=200,000円が望ましい証拠金といえます。
ほかの通貨ペアで2万円が1日の最大変動による損失と考えられるなら、
20,000円÷0.05=400,000円ということになります。
ただし、殆どの個人投資家は1日の損失可能額から証拠金を割り出すのではなくて、証拠金の上限が先に決まっていてそれを利用して売買するケースがほとんどですから、10万円の証拠金を投入し5%の損失までを許容にするなら、1万円の損失が1日の最大の損失になる程度のポジションしかつくれないという発想をすべきです。
ドル円なら1日1円幅で動けば、1000通貨単位で123円の証拠金ですから、1万通貨で1230円の証拠金が必要になります。
したがって25倍レバレッジのときに、ドル円通貨ペアで1万円損しても許容範囲と考えるならば、888倍のレバレッジなら損失可能額に通貨ペアの証拠金額を足して、最低で1万3000円程度まで口座に入金されていれば最悪一回も損切をしなくても、なんとか強制ロスカットにはあわずに取引が可能となるのです。
損失可能額10000円+証拠金額1230円=11230円(約1万3000円)
本邦の個人投資家は、とくにロスカットを自主的に行わない人がほとんどですから、最初から強制ロスカットやゼロカットにひっかからない金額で売買するというのもひとつの方法になるのです。
■約定力に注意しないと、ロスカットでの損失も広がる可能性
約定力の低い海外FXですと約定しない、あるいはスリップを起こした分はすべて個人投資家の損失となりますから、とにかくロスカットをすることを前提にしても投資家が思うようなところでしっかり損切注文が履行されないと、損失は大きくなることを考えておく必要があります。
■ロスカットのまとめ
ロスカットは、個人投資家自らが決めた自主ルールに基づいて粛々と執行されるべきものです。
一般的には、投入証拠金額の5%や10%を上限とするものですし、個別取引では30銭を超えたら一旦損切、といったルールを決めて売買するべきものです。
正しい証拠金管理の発想から言えば、作ったポジションを一切損切しなくても、その損失が5%なり10%に収まるように証拠金を投入しておけば望ましいことになるわけです。
ただ、ハイレバレッジでは最初から失ってもいい証拠金額だけ入れて売買するという、逆さまの発想もありうることは覚えておいて損はないのではないでしょうか。
逆転の発想が、888倍で取引できるXMのような口座をうまく利用する方法にもなるのです。