海外FXと国内FXには大きな違いがあります。
「最大レバレッジの大きさ」「追証ゼロサービス」など、国内FXにはない多くのメリットを兼ね揃えた海外FXですが、その中でも「ボーナス」が発生するのは海外FXの大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、ボーナスといっても内容や出金条件はそれぞれ異なり、「条件をクリアする近道」と思って行なったFX取引に効果がなかったり、知らないうちにルールを破っていたりする可能性もあります。
特に、取引に「両建て」を用いる場合は注意が必要です。
もくじ
■海外FXボーナスの両建て
この記事では海外FXのボーナスと両建てについて徹底解説していきます。
海外FXでの両建て手法について
FXとは通常ならば相場の動きを読んで、上がると予想するならば「買い」、下がると予想するならば「売り」と、どちらかのポジションを持つ投資法です。
しかし、両建てというのは「買い」と「売り」の両方のポジションを持つ取引システムのことを言います。
一見手数料しか発生しない無駄な行為に見える両建てですが、
① 損失の幅を決定しリスクを軽減しつつ、買いポジションをキープできる
② 上昇トレンドを利用する『つなぎ売り』を行なえる
③ 『ゼロカットサービス』を利用し、窓明けや経済指標など大きな相場の値動きを狙い、利益を上げることができる
など、リスクヘッジ効果や状況に応じた取引など活用できるポイントは多いです。
また、カットサービスがある海外FX口座だからこそ、両建てを用いる事ができるポイントも存在します。
全ての業者で採用されているわけではない?
国内業者には、基本的に両建てはあまり好まれていません。
理由は、監督官庁が両建てを推奨することを禁止しているためです。
また、国内FX業者ほどではないにせよ、海外FX業者の中にも規約にて両建てを禁止している業者は存在します。
そのため、両建てを行なう前提で海外FX口座を開設する予定の方は「全てのブローカーが両建てを採用しているわけではない」ということを認識しておく必要があります。
両建てのルール
海外FXブローカーの中には、両建てを禁止しているブローカーもありますが、ほとんどは両建てを認めています。
しかし、両建てを認めているからといって何でもしていいわけではありません。
両建てにも最低限のルールはあるのです。
基本的に、どのブローカーも、
① 複数の取引口座での両建て
② 複数業者での両建て
以上の取引は禁止としています。
では、なぜ禁止となっているのか?
理由は単純、簡単に利益を出せてしまうからです。
例えば、大きく相場が動く事が予測できる場合に(米国の雇用統計など)
① A社にレバレッジ一杯に買いポジション
② B社にレバレッジ一杯に売りポジション
上記のように、許容範囲一杯にレバレッジをかけて両建てを行なったとします。
すると、相場がどちらに振れても、どちらか一方に相場が動けば動くほど利益が増えていきます。
相場が上昇すればA社の利益が増え、B社の損害はゼロカットサービスが発生し残るのは利益のみとなるのです。
また、相場が下降しても同様の動きで残るのは利益のみです。
このように、両建ては同一口座以外で取引を行なった場合、高確率で利益を発生する事が可能となりますが、当然ながら海外FX業者はそれを禁止しています。
両建ては大きな利益が狙えない?
両建ては様々な状況に応用できるのですが、あまり大きな利益が狙えるものではないので過度な期待は禁物となります。
勿論、可能性はゼロではないのですが、両建ての最も大きいメリットはリスクヘッジ効果をもたらすことです。
両建てで利益を上げる場合、当然ながら「買い」と「売り」のポジションどちらかを決済する必要があるのですが、このタイミングは経験を積まない限り難しいものがあり、例えタイミングがよかったとしても相場が大きく、一方向に動かなければ大きな利益は生まれません。
そのようなリスクを背負いながら、両建てで大きな利益を狙っていく事が得策とは言いがたく、勿論両建てにより利益を上げているトレーダーはいらっしゃいますが、総合的に見ると両建てとは大きく利益を上がるための手法というよりも、リスクを軽減するための取引方法という認識で用いたほうがメリットは大きいといえます。
■海外FXのボーナスを利用した両建てについて
海外FXには様々なボーナスがありますが、そのまま出金できるボーナスはあまり多くないのが現状です。
海外FX業者が採用している主なボーナスは、
① 口座開設ボーナス
② 入金ボーナス
③ 取引ボーナス
上記3種のボーナスです。
口座開設ボーナスは比較的そのまま出金できるケースが多いですが、入金ボーナスや取引ボーナスは「証拠金にしか利用できない」「一定以上取引を行なった場合出金が可能」という条件が多いです。
前者の「証拠金にしか利用できない」というケースでは、取引でいくら利益を上げても、ボーナス分は出金は永遠に出来ません。
ただ、「一定以上取引を行なった場合出金が可能」となるボーナスは、業者が決めた量を(ロット数)取引すればボーナス分も出金が可能となるボーナスです。
実際には前者のボーナスよりも、出金が可能となる後者のボーナスの方が内容が遥かにいいですが、その反面ボーナス額は前者のほうが高くなります。
ボーナスを利用した両建ては禁止
前述しました「一定以上取引を行なった場合出金が可能」なボーナスですが、両建てのことをご存知の方の中には「両建てを行えば損益を出さず条件をクリアできるのでは?」という方法を思いつくかもしれません。
しかし、FX会社も当然そのことは承知していますので、残念ながら両建てではボーナスの出金条件を満たすことが出来たとしても、利益を上げることは難しくなっています。
出金が行なえるボーナスの金額は、最低でもその取引量で発生するスプレッドとイコールとなっています。
そのため、両建てによって出金条件を満たしたとしても、少なくとも両建てに使ったスプレッドと同額以下になるため、全く意味がありません。
基本的に、ボーナスを得るための抜け道はないと考えるほうが無難なのです。
禁止されている両建てを行なった場合
規約に書いてあるのにそれを無視して両建てを行なったり、アービトラージトレードを行ったりした場合、以下のようなペナルティが課せられてしまう可能性があります。
① 全額没収
口座の資金を全額没収されます。当然ながら返還されません。
② 出金拒否
口座に入れてある資金を入金しようとしても業者側に拒否されます。
③ 口座凍結
口座閉鎖され、トレードは勿論入金や出金も行なえなくなります。
FX業者は「怪しい」と感じたトレーダーを発見した場合、MQL4やレギュレーションなどの関係でユーザーの情報を容易に追う事ができます。
そのため、簡単に「バレない」と決め付けルールを破ることは絶対におすすめできません。
■まとめ-両建てはルールを守り上手く利用する
両建てはFXの立派な取引法であり、特に海外FXでこそその効果を発揮します。
しかし、ボーナスの条件をクリアするという目的に限定して言えば、海外FXのボーナスで両建てを行うことは基本的に効果がありません。
海外FXのボーナス条件をクリアする場合は、通常通り取引を行なう事が一番の近道といえるでしょう。
こんばんは、海外の業者に興味を持ち、色々と調べている間に、こちらにお邪魔しました。
質問なのですが、XMでは複数口座の両建ては禁止で、同一口座の両建てはOKと
言うことですが,同一口座でも、禁止とされているゼロカットシステムを活用した
両建てで、週明けの窓明けを狙っての、トレードができると思うのですが、
同一口座でのそのトレードでは、あまり、意味がないのでしょうか、
また、利益的にも、微益なのでしょうか、
教えていただけませんか。
御手洗いささん、コメントありがとうございます。
XMは両建てにコストがかからないので、日常的にリスクヘッジに使うことはありますが、早朝ですと売りと買いのスプレッドがかなり広がることもあるので理論的な動きにならないリスクがあります。
しかも888倍のレバですとつまらない形で証拠金を損することもありますからほとんどお勧めできません。
よほど大きな窓空けから窓埋めを狙うなら、サクソバンクの朝3時から開いている口座でも利用したほうが利益機会が多いかもしれません。