もくじ
■MT4はFXのトレードプラットフォーム
FXトレードでは書く会社でそれぞれ独自のプラットフォームが使え、それがドレードスタイルにダイレクトに影響を与えます。
例えば国内FX業者ではM2Jのトリラピ、アイネット証券のループイフダン、外為オンラインのiサイクル注文などのこれらの会社固有の機能はそれ自体が非常に魅力的で、そのためにこれらの会社の国内FX口座開設をするというトレーダーも多くいます。
一方でFX市場においてどの会社でも共通して使えるプラットフォームもあります。
その代表がMT4(メタトレーダー4)といえるでしょう。
MT4はFXトレーダーの間で利用者数世界ナンバーワン、5年連続顧客満足度No.1、2009年からサービスを提供しているFX取引プラットフォームです。
マルチプラットフォーム対応で、PCでもMac、Windowsでも、モバイル機器でも使えます。
MT4のモバイル版は正式には、MetaTrader4Mobileと言いますが基本的な機能は変わりません。
・ロシアのMetaQuotesが開発
現在キプロス共和国に本社があるMetaQuotes社が、無料で公開している取引ソフトになります。
しかし発足したのはロシアになります。
何故ロシアからキプロスに本拠地を移したのかは不明ですが、西側の業者との取引が多いことから移動したのではないかと推測されます。
FX業者側も開発コスト削減と効率化のために、わざわざ自社でソフト開発をするよりも、サードパーティーのソフトを導入する傾向にあります。
そのような流れの中で、MetaQuotes社がシェアウエアの形で公開している優秀なソフトが注目され、多くのFX企業で使われるようになりました。
2003年にそれまでの開発ソフトをさらにブラッシュアップして登場したのがMT3で、その後さらに20か月ほとの開発期間を経て2005年に登場したのが現在のMT4ということになります。
国内ではもっぱらFXに利用するという印象の強いこのMT4ですが、FX業者のみならずCFD取引などの業者にも広範に利用されており、足元では600社以上が導入していることから全世界ベースでは4000万人以上も利用する人気取引ツールとなっているのです。
利用者が多いシェアウエアだけにバグや取引上の問題点はどんどんと修正されていくことから、使い勝手もよく、安心して利用できるツールとなっているのです。
さらに2011年には進化版のMT5がリリースされて現在に至っています。
・海外FX業者ではまず使える
海外のFX業者はできるだけ取引プラットフォーム開発に資金を必要としないためにこのシェアウエアであるMT4を利用するケースが高くなっています。
またNDD法式での売買を成立させるためには非常に利用し易いという点も広範な利用を実現する大きな理由になっているといえます。
国内で人気の海外FX業者を見ましてもFBS,Iron FX,XM,iForex、HotForex,Fxpro,TitanFX,ACIORYなどほとんどのNDD方式の業者では利用されているといっていいツールになっているのです。
■MT4のメリット
・チャートのカスタマイジングが自在であること
国内の店頭FX業者が提供する売買ツールは、各社とも大きな開発コストをかけて作り出していることから確かによくできていますが、業者判断でテクニカルツールを選定しており、ユーザーが必要に応じてテクニカルチャートを追加すると言った自在性は担保されていません。
しかしMT4ならばインジケーターという形で外部からいくらでもテクニカルツールをインストールして使うことができますので、たとえばADXやスーパーボリンジャーがないといった場合でもいくらでもカスタマイジングして追加が可能となるのです。
また売買用にサードパーティから提供されている各種の売買インジケーターなどをチャート画面上に表示させることも簡単に実現可能です。
・自動売買のEAの作成、利用が可能
MT4はMQL5と呼ばれる言語で書かれていることから、これを利用すればエキスパートアドバイザーと呼ばれる戦略を作成してツール上で走らせることが可能になりますし、カスタムメイドなインジケーターの作成も可能です。
したがってEAを利用すればシステムトレードも実現可能であり、利用拡張性は非常に広がることになるのです。
プラットフォームによってできることは多少異なりますが、以下の表のような機能があらかじめ与えられています。
ご覧のようにPCへのインストールモデルでないとモバイル系は若干機能が制限されることになります。
■MT4の使い方・オススメ設定など
・注文方法
取引方法として通常のトレーダー自身が自ら取引をする裁量取引はもちろんEAによる自動注文も可能です。
成り行き注文の場合は新規注文を選択することで注文可能、そして1000通貨あたりから取引可能です。
さらにシステムトレードなどもMT4はできます。
・表示可能な時間足
MT4では通常、1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足と他のプラットフォームと比べて一般的と言えるスパンでの時間足が表示可能ですが、MT4のインジケーターを使って機能を拡張すればそれ以上表示することも可能です。
このような柔軟なカスタム性がMT4の人気の理由の一つと言えるでしょう。
・トレンドラインを引く
トレンドラインとはローソク足チャートの傾向をわかりやすくした補助線ということができます。このトレンドラインがFXでのトレンドということができます。
通常ならばトレンドラインは自分で引かなければならなかったのですが、MT4ならばそれを自動で引いてくれる機能があるので、快適に取引を進めることができます。
■MT4とMT5の違いを個別に比較してみる
MT4の最新版として2011年に登場したのがMT5ですが、このMT5には決定的な問題があります。
それはバージョン同士の互換性がないというこです。
残念ながらMT5はMT4と全く異なるシステム上で動いているがためにこうした問題が起きているのです。
したがってMT4を導入した海外業者でもその多くがMT5も並行して利用できるようにしているのが現状となりますが、どちらかと言えばMT4を中心に提供している傾向が強い状況となっています。
具体的にはどんな機能差があるのか、まとめてみますと次のようになります。
まず利用者視点でみますと、MT5は後発プラットフォームということもあり、時間足が非常に細かく設定可能になっている点を最初に気づかされます。
ここまでの設定が果たして必要なのかという疑問はありますが、人によっては使い勝手のいいものになっているといえます。
また動作に関しては同レベルのスペックのPCを利用した場合には明らかにMT5のほうが素早く稼働しますが、動作環境の維持に必要なメモリの量も多くなりますので、ハイスペックPCではないとなかなかその機能を発揮できないという問題があります。
一方既存のMT4は2005年に登場しているだけにスピードは速くありませんが、比較的スペックの低いPCでもなんの問題もなく稼働する点が秀逸といえます。
実際に使いはじめてみますと多数の後からインストールしたインジケーター類はMT5はフォルダ毎に整理できるので見つけやすいという特徴がありますが、MT4のほうはインストールした順番に表示されてしまいますので、みかけの整理はつかないものとなります。
ただ、そのインジケーターやEAは、圧倒的にMT4が普及していしまっていますので、同じ機能をもったものをMT5にマイグレーションしたソフトが極めて少なく、
自在性の確保ということになると依然としてMT4のほうが使い勝手がいいのが現状となっています。
■MT4とMT5を使い比べてみた結論として
開発者としては満を持してレベルを高めて発表したはずのMT5ですが、見た目はほとんど同じに見えるのにシステムプラットフォームが全くことなることからインジケータ類を移行して利用することが一切できないことから、あまりにも普及しすぎたMT4とその周辺ツールの利便性がMT5のほうにキャリーオーバーできない状況になってしまっており、結果的にMT5の普及は海外のFX業者の中でも導入からすでに7年の月日が経過しているにも関わらず進んでいないのが実情です。
インジケーターなどのツールを自在に使いこなしたいと思うのであれば、やはりMT4を引き続き利用するほうが個人投資家にとってはかなり大きなメリットがありそうです。
■MT4の画面を見やすいように設定する方法
MT4の画面を見やすいように設定するのにはかなり個人の好みもありますので一概には言えない部分もありますが、チャートはせいぜい同時表示しても3つ程度にすることが重要で、できればそのほかのインジケーターもうまく機能させるために、最小限の表示としておくのがお勧めになります。
また複数の通貨ペアを同時に扱う場合には、通貨ペアごとに一斉決済できるボタンを、インジケータ上でインストールしておくのはかなり便利になります。
またワンクリックボタンはとっさに売買するのに便利ですから常に表示しておくのがオススメとなります。
それ以外の機能はトレーダーごとの好き嫌いの問題になりますが、長年使ってみている印象でいいますとできるだけ余分なものは表示させずにシンプルに利用していくことがもっとも飽きがこない、しかも便利な方法になると思います。
■まとめとして
MT4は国内の店頭FX業者では非常に限定的な導入となっていますが、海外ではFX,CFDともにきわめて普及の進んだツールとなっています。
それだけに市場に付帯的に出回っているインジケーターやEAも多く、うまく利用すれば相当自分好みのツールにカスタマイズしていくことが可能になるのです。
MT5はその後に出たアップグレードソフトではありますが、稼働するシステムが異なる事から必ずしも乗り換えはスムーズに進んでおらず、相変わらずMT4が海外業者の中ではメジャーなツールとして利用されています。
このMT4は、システム的にNDD方式との親和性も高いようで、海外でNDDのSTP方式を採用している業者ではほぼすべてのところで利用できるようになっています。
したがって海外FX業者で取引をうまく行うためには、なんといってもMT4をしっかり理解して使いこなしていくことが必要になるのです。