日本から利用できる海外FX業者が、ここ最近で数が増えてきています。
やはり国別で見た場合、世界最大の利用者を誇ると言われる日本の個人投資家をどう取り込むかが、マーケティング上も大きなポイントになってきていることがわかります。
一方国内の個人投資家は、海外FXについてはハイレバレッジとともに、ボーナスの支給があることを非常に重要な選択視点と考えているようですが、実際に口座を開いて使ってみますと、それ以外の選択視点がかなり重要であることが次第に見えてきます。
そこで今回は、海外FX業者12社の口座 について比較して、実際に使い比べてみたレポートをお送りします。
今回対象としたのはXM,Titan FX, HotForex, Tradeview, AXIORY, FxPro, MyFXMarkets, TradersTrust, Gemforex, BigBoss、FBS、LANDFXの12社となります。
※この記事を全部読むのには15分~20分ほどかかりますので、必要箇所だけ読んでもらえたらと思います。
もくじ
- ■各社の特徴ポイント説明
- ■口座開設時から各社の対応は結構異なるものがある
- ■500倍レベルと1000倍レベルのレバレッジはかなり違う
- ■ボーナスという視点で12社を比較
- ■円建ての口座開設が可能かどうかで日本市場への取組姿勢がわかる
- ■入金・出金のソリューションで海外FXの使い勝手は大きく異なる
- ■ライセンス利用国の問題は気にするほどのことではない
- ■海外業者なのにDD方式の業者はあまりお勧めできない
- ■STP口座のスプレッドは想像以上にどこも似たりよったり
- ■むしろスプレッド以上に問題になるのは約定力の差
- ■取引利便性から考えると意外にお勧めなのがECN口座
- ■海外FXではスワップは総じてあまり期待できない
- ■設定商品の差が大きくつくのがCFDの領域
- ■ゼロカット方式が自動的に行われる業者も必須の状況
- ■日本語のサポートデスクに連絡しても返事も来ないようなところもアウト
- ■まとめ【12社使ってみての最終的な選択の優先順位】
■各社の特徴ポイント説明
それではまず、今回実際に口座開設してトレードしてみた海外FX業者について、ごく簡単ではありますがご紹介しておくことにします。
XMTradingは、XMのセーシェルを本拠地とした口座のことで、2019年9月から正式にブランドロゴもXMTradingとしていますが、中身は全く変わっていません。
2018円7月に、ESMA・欧州証券市場監督局がEU圏内を本拠地とする業者に対して、圏外の海外ユーザーを取り込むことを禁止していますが、それを見越した形でキプロスとは別にセーシェルに別法人を立てて、日本人をはじめとする欧州、米国以外の顧客用のアカウントとしてのがこのXMTradingです。
サーバー等は、従来のキプロスアカウントと全く同じ英国ロンドンのシティに設置されています。
XM自体は2009年創業ですから、すでに10年以上の経歴がある業界では比較的歴史のある企業といえます。
最大のポイントは、最大888倍のレバレッジ提供と未入金、入金の各種ボーナスの設定で国内でも知名度が高く、日本人個人投資家からは非常に人気のあるブランドとなっています。
口座はSTPとともに、最大500倍のECN口座を設定することも可能です。
口座は円建てが可能で、為替の無駄もないのが特徴です。
TitanFXはオーストラリアを本拠地としているPepperStoneから、経営陣が分離独立する形で創設された海外FX業者でニュージーランドに本拠地を移し2015年3月に創業した業者です。
現在は、さらに本拠地をバヌアツに移し、バヌアツのライセンスで日本人投資家に対応しています。
レバレッジの最大は500倍で、STPとECNの双方の口座開設が可能となっています。
2016年に、Zero Pointと呼ばれる最新テクノロジーのシステムを導入したことから、約定力は業界内でも極めて高く、HFC・高頻度取引トレーダーも利用するようなスペックのシステムを利用していることで、極めて高い信用力を得ています。
口座は円建てで開設可能で効率的です。
HotForexは、2009年にキプロスで創業したFX業者で、現在欧州居住者向けの口座はキプロス口座、日本人など海外居住者向けはセントビンセント・グラナディーン金融庁が発行したライセンスをもとにサービス展開をしており、南アフリカにも別の口座を開設しています。
XMと同じキプロス出身ということもあり、かなり意識している部分があるようで、ロゴの色使いもXMと似た雰囲気を醸し出しています。
最大レバレッジは1000倍で、STPとともにECNの口座も用意されています。
但し口座は、なぜかドル建てとユーロ建てしか設定されておらず、円建ては現在検討中となっています。
ボーナスプログラムは従来3つのものが設定されていましたが、2919年9月からは100%スーパーチャージボーナスか、100%クレジットボーナスの選択肢に限られており、口座によって適用になるボーナスが異なります。
ここでもXMを意識していると見えて入金ボーナスはかなり大盤振る舞いになっています。
Tradeviewは2004年に設立された老舗的海外FX業者で、いくつものライセンスをもって世界で展開をはかっているサービスです。
日本の個人投資家向けには、ケイマン諸島を本拠地とするライセンスで対応しています。
この口座は業界最狭スプレッドが売りもので、さらにトレーディングプラットフォームとしてはMT4、MT5、cTrader、Currenexという4つを設定しているのが大きな特徴となっています。
最大レバレッジは500倍で、口座によっては制限されています。
全タイプの口座に円建て口座が設定されていますので、為替の差損なく入金から出金までの取引が可能です。
ただ、ボーナスの設定は一切ないのも逆に特徴になっています。
AXIORYは2011年にセーシェルを本拠地として欧州・アジア地域へのサービスを提供開始したFX業者で、2013年には新たにベリーズに拠点を移行し、日本人投資家向けにはこのライセンスを利用して運営されている業者です。
AXIORY自体は世界で9か所に拠点をもっており、FX業者としてはかなり大がかりな展開をしていることがわかります。
また同社のサーバーはニューヨーク、ロンドン、東京といったデータセンターを利用しているため、かなりレベルの高いサービスを提供する業者として評価されています。
トレードツールは世界的に普及が進んでいるMT4に加え、欧州圏ではかなり高い評価を得ているcTraderも導入しており、ECN口座に対応しています。
レバレッジは400倍で円建ての口座開設可能ですから、日本人投資家には便利な業者となっています。
日本にいながらにしてハイレバレッジで狭いスプレッドの取引ができるのが、この業者のメリットということができます。
FxProは2006年に創業した欧州系のFX業者大手で、国内でも知名度の高い存在として知られています。
もともとはキプロスを拠点とするブローカーでしたが、2018年のESMA・欧州証券市場監督局は欧州を本拠地とするブローカーに対しては欧州在住者のみを対象にしたビジネスに制限する旨の通達を出したことから、現在ではバハマのライセンスを利用して日本人個人投資家に対応している状況です。
2011年ごろは、一時的に日本人個人投資家の獲得を中止していた時期もありましたが、現在ではまったく問題なく口座を開設することができます。
最大レバレッジは500倍で、円建ての口座開設も可能となっています。
ただ日本語によるサポートは2018年ごろから途絶えており、英語でアクセスすることを余儀なくされている状況です。
MyFXMarketsは、2013年にニュージーランドでスタートしたブローカーです。
ただ、日本の個人投資家向けの口座は、モーリシャス共和国の金融サービス委員会のライセンスを利用して提供されています。
オーストラリアでは最大規模のAxiTraderの関連会社であることから、日本国内では知名度がないものの海外での信用度は非常に高いものとなっています。
レバレッジは最大400倍が利用できます。
口座はSTPとECNの選択が可能です。
同社はエクイニクス社のデータセンター内に自社サーバを設置していることから、高速回線での取引が可能で非常に約定力が高いことでも有名な存在です。
口座はどれも円建てで取引可能ですから、余分な為替の両替コストはセーブできる状況です。
ただゼロカットシステムは導入されておらず、申告してはじめてゼロにリセットになるというややこしい仕組となっていますので、取引では注意が必要です。
TradersTrustは、もともとキプロスを本拠地として2009年にスタートしたFX業者で、10か国の金融ライセンスを保有するマルチエリア展開をはかるブローカーとして有名な存在です。
日本人向けの口座は、バヌアツのライセンスを利用しています。
最大のレバレッジは500倍で円建て口座の開設が可能です。
日本語のサポートも万全です。
TradersTrustのもう一つの大きな売り物は、約定力の速さでシステムインフラの詳細は開示されていないものの、すべての注文がどこからでも100ミリ秒内で処理されることを誇っており、実際に利用しても約定力の高さを実感することができます。
同社は残念ながらボーナスの恒常的な設定はありませんが、期間限定の入金ボーナスのプロモーションは随時実施されています。
GEMFOREXは2010年に香港で日本人により設立されたFX業者ですが、長くライセンスを保有せずに取引を行ってきたとされた存在でした。
しかし2019年からは正式にニュージーランドのラインセスを取得しています。
レバレッジは最大1000倍となっています。
口座は円建てで開設可能で、ゼロカットシステムも実装されています。
ただビジネスモデルは国内の店頭FX業者と同様DD方式を採用しており、社内にディーリングデスクを持っている状況です。
なぜNDD方式にしないのかは不明ですが、日本の業者に近い存在ということができます。
ボーナスは期間限定で100%ボーナスが抽選で利用できる形となっていますが、条件によっては半減してしまうなどわかりにくい部分ももった業者といえます。
GEMFOREXは、EAやミラートレードを提供してくれるなど、独自性を発揮する部分も備えています。
BigBossは2013年に設立された海外FX業者で、もともとはニュージーランドのライセンスを利用していましたが、2016年以降はこのラインセンス保有が削除された状態が続いています。
現状ではセントヴィンセントライセンスが利用されている状況です。
レバレッジは最大1111倍が利用可能で、円建ての口座開設ができるようになっています。
ビジネスモデルはNDD方式を名乗っていますが、どうやらDD方式で社内にディーリングデスクを置いている可能性が高そうです。
(※ホームページ上でもそうした記載は一切ありません。)
同社はエクイニクス社のサーバーを利用していることから、日本からアクセスして売買しても非常に約定力が高いことは評判になっているようです。
FBSは世界最大級の海外FX業者で、2009年に創業したマルチエリアのブローカーとして有名な存在です。
アジア圏でもマレーシアやインドネシア、中国でFXビジネスを行っています。
同社はロシア、キプロス、ベリーズの各国でライセンスを保有していますが、日本の個人投資家向けにはベリーズのライセンスを利用しています。
この業者の特徴としては、一部の口座について3000倍という業界最大のハイレバレッジを提供してくれることです。
また未入金のボーナスプログラムで大きな金額を提供してくれる業者としても有名です。
ただ、口座はドルもしくはユーロ建てで円建ての開設ができません。
また口座によって利用できるメリットがかなり異なりますので、注意が必要です。
LAND-FXは、2013年に創設されたニュージーランドを発祥の地とする海外FX業者で、現在はニュージーランドのみならず、英国、中国、フィリピン、ロシア、シンガポール、アメリカ、エジプトなど13か国にわたってFXビジネスを展開中です。
とくに2016年には、取得が難しいとされている英国のFCAライセンスを取得していることから、信頼性の高い業者として人気を集めています。
レバレッジは最大500倍ですが、一部の口座は最大200倍に制限されています。
またLANDFXは、ホームページ上ではNDD方式の業者を名乗っていますが、LPボーナス口座、Live口座は明らかにDD方式で社内にディーリングデスクを置いてコントロールしているようで、正確にNDDと言えるのは電子商取引だけのECN口座のみのようです。
口座は円建てで開設可能です。
またLPとスタンダード口座には、入金額に対するボーナスプログラムが設定されています。
■口座開設時から各社の対応は結構異なるものがある
海外FX業者の口座開設の場合、すべての業者がネットだけで完結できるプロセスを実装しています。
ですから、基本的にはネットだけのやりとりで簡単に取引ができることになるのですが、実は本人確認書類を先に送り付けるか、出金時までにそろえればいいかで、かなり利便性が異なるものになっているのが実情です。
1)必要事項だけ入力すれば書類は出金までに後送で利用が開始できる会社
TitanFX AXIORY BigBoss
2)口座開設時にすべての書類を用意することが必要な会社
口座開設時に、本人確認書類を提出することが義務づけられている会社は殆どといえます。
XMTrading HotForex Tradeview FXPro TradersTrust GEMFOREX LANDFX FBS
こうしてみますと、12社のうち10社が本人確認書類を要求してきますので、身分証明書をスキャナーでとっておくなりスマホで撮影するなりして事前準備をしておくことが重要となります。
またクレジットカードの表面と裏面の写真を要求してくるところもありますので、こちらも用意する必要があるケースがでてきます。
3)動画など特別な書類送信方法を要求する会社
面倒なのは、動画でクレジットカードを持っている自分の顔を撮影することを義務付けているところです。
たとえばTitanFXがそのパターンで、マネーロンダリング対策上必要と考えているのかも知れませんが、基本的にスマホや動画撮影のできるカメラ付きPCをもっていなければ口座開設ができないわけですから、面倒といえば面等な存在といえます。
最近、仮想通貨取引所などではのセルフィーの認証というのがかなり普及しているようですが、既存のFX業者と取引をしていますと、それなりに違和感を覚えるものであることは事実です。
またGEMFOREXは、証明書類とともに登録者本人が書類をもって移っている写真を要求してきますので、こちらも別に撮影しておく必要がありますが、静止画なのでそれほど苦痛ではありません。
できることならば、まずネットで口座開設だけして、書類は撮影など準備ができてから送り付ける方法をとるところが断然便利といえますが、そういう業者は少ないのが現実です。
■500倍レベルと1000倍レベルのレバレッジはかなり違う
ハイレバレッジの設定がある業者でも、500倍以下と1000倍近くのどちらを選ぶかで、資金効率は大きく異なるものになります。
400倍以上のレバレッジはあまり変わらないという見方をする人も多いわけですが、実際に使ってみますと資金効率はかなり異なります。
正直なところこの、2つは完全な別物と言ってもいいほど異なる部分があります。
単純に考えても、1000倍のレバレッジは500倍の2分の1の証拠金で取引ができるわけですから、ドル円を1ドル108円のときに1万通貨取引するなら、500倍のレバレッジ2160円の証拠金が必要ですが、1000倍ならば1080円で取引可能となるので、実際に利用してみますと圧倒的に1000倍のほうが効率的になることがわかります。
400倍は500倍に非常に近く、888倍は1000倍とかなり似たような証拠金率となります。
ハイレバレッジにはFBSの究極の3000倍という口座もあり、さらに効率的ではありますが、さすがにやり過ぎ感があり、それなりの証拠金を入れないと怖くて取引できない部分がありますので、実質的には1000倍と使い勝手はあまり変わらない印象があります。
この視点で12社を分けてみますと、次のように3つのグループに分けられることになります。
1)レバレッジ500倍アラウンドの業者
TitanFX(500倍)、Tradeview (500倍)、AXIORY(400倍)、FxPro(500倍)、MyFXMarkets(400倍)、Traderstrust(500倍)、LANDFX(500倍)
2)レバレッジ1000倍アラウンドの業者
XMTrading(888倍)、HotForex(1000倍)、GEMFOREX 1000倍、BigBoss (1111倍)
3)さらに効率のハイレバの会社
FBS (最大3000倍)
この3つに大別することができます。
したがってどのゾーンの業者を選択するかは、まずこのレバレッジの許容範囲を選択することである程度決まってくることになるのです。
レバレッジの利用快適度は、人によってかなり考え方も違うものがあるので一概には言えませんが、どうせハイレバレッジを使うならば1000倍近いものが利用できるようにしておくのがもっとも望ましいというのが、12社を利用してみての個人的見解です。
もちろん500倍近辺のレバレッジを提供する業者にも秀逸なところがありますので、利用者が納得がいくならば、その中から選択していくのは全く問題はありません。
要はトレーダー自身の投資予算と、ハイレバレッジ利用の考え方次第ということはしっかり理解しておくべきでしょう。
但し、500倍アラウンドの口座と、1000倍アラウンドのハイレバレッジを提供する業者の口座を同じテーブルで比較検討することは、やはり違和感を感じます。
それぞれのグループの中で、どの口座を選択するかが重要になると思われます。
■ボーナスという視点で12社を比較
国内の個人投資家が海外FXを利用するときにもっとも注目しているポイントが、ハイレバレッジとともにボーナスということになります。
海外FXといえばボーナスは当たり前のような印象がありますが、実は今回チェックした海外FX業者でも、ボーナスには一切対応していないところもあり、状況は結構変化していることがわかります。
また未入金ボーナスというのも当たり前のように設定されているように感じるものですが、実はこれを恒常的に実施しているところは相当限られており、ほとんどが入金ボーナスに力を入れている業者が多いことがわかります。
1)未入金ボーナスを実施している会社
12社のうち未入金ボーナスを恒常的に続けているのは、XMTradingとFBS、GEMFOREX、TradersTrustということになります。
XMTradingは3000円という限定的な金額設定ですが、利用にあたっての自由度が高いのが魅力となります。
余分な利用制限がないという点では、金額は小さいですが現金支給に近いものということができます。
一方FBSは、特定の口座開設時に100ドルが未入金ボーナスとして支給されますが、有効期限は50日、取引を始めてから30日でこのクレジットボーナスは消滅してしまいます。
同時に持てるポジションも5つで、30営業日内に少なくとも5ロットを取り引きしないと利益を引き出すことができないというもので、利用者にとっては未入金ボーナスに見えますが、とにかく未入金で試しに取引ができる程度の内容になっていることが実際に利用してみますとわかります。
結局のところ、最大100ドルまで資金を引き出すことができたとしても、その後は自腹でしっかり資金を投入しないと取引はできませんから、XMTradingとFBSでは相当未入金ボーナス利用の発想に違いがあることがわかります。
GEMFOREXは、口座開設をすると1万円分のクレジットボーナスが支給されます。
最近では一時的に2万円支給されるケースもあるようですが、こちらはXMTradingと同様に利用にあたっての制限はほとんどなく、文字通り未入金ボーナスとなっている点は大きな魅力です。
ただ一応期間限定で、常にやってるプロモーションではないようです。
TradersTrustでも一応期間限定ということで、5000円のクレジットボーナスが支給されます。
ただしHEISEI_5000JPYと、プロモーションコードを入力しないと支給されないというなかなか意地の悪い仕組みで、自動的に付与されないのがなんとももどかしい形になっています。
私の場合には、まんまとこの5000円を逃す形になってしまいました・・・。
BigBossは、2019年9月30日まで期間限定で5000円プレゼントを実施していました。
この場合は、クレジットではなく5000円が現金支給され、しかも10ロット取引すれば出金できるというユニークな仕組になっています。
結論からいますと、未入金ボーナスで自由度が高く使いやすいのはXMTradingとGEMFOREXということになります。
期間限定を利用できるなら、TraderstrustやBigBossもあります。
全般的にいいますと、未入金ボーナスというのは、新規顧客がお試しで口座開設をしてくれるための呼び水に過ぎません。
もちろん自腹を切らずに取引ができることほどありがたいものはないですし、利益はしっかり出金できますからこんなにありがたいものはありませんが、これだけで勝負するというのはそもそもゆがんだ発想で、思い切った投資行動をとることができないという結構重要な問題に直面することはあらかじめ理解しておくべきでしょう。
FXの場合、資金は一定以上あるほど逆に安全で、しかも大きな利益を獲得するチャンスが増えるものです。
1000円が1万円になるようにトレードするよりも、100万円が200万にするほうがどれだけ楽かは、実際にやってみればすぐわかることです。
そういう意味で、未入金ボーナスの過少資金だけで取引するのは、かなり前者に近いやり方だということは認識しておかなくてはなりません。
2)入金時のボーナスを常時設定している会社
海外FX業者のボーナスプロモーションで、もっとも多いのがこの入金ボーナスというプログラムです。
顧客が一定の金額の証拠金入金をする場合に、クレジットの形で証拠金を増額して取引をしやすくしてあげる、というのがこのプロモーションの本質です。
入金時のボーナスを常時設定している会社としては・・・
XMTrading、HotForex、LANDFX、FBSが挙げられます。
ただ、こうした業者も運用上のルールはかなり異なるものがあります。
XMTradingは、入金の20%最大50万程度までのボーナスが支給されます。
入金資金とボーナスの区別はなく、すべて資金として使える点はかなり秀逸です。
ボーナスでトレードしても、XMPポイントが支給されるのも相当お得な仕組となっていて、これがもっとも使いやすい仕組といえます。
また500円の入金からしっかり20%のボーナスが支給されますから、単純明快で入金ボーナスの20%というレートは低く見えますが、もっともわかりやすい仕組といえます。
HotForexは、マイクロ口座とプレミアム口座で100%クレジットボーナス設定されていますが、ややこしさはかなりのもので2019年8月末でレスキューボーナスが消滅したので多少はわかりやすくなっています。
まず100%クレジットボーナスはマイクロ口座、プレミアム口座ともに適用となっており、最低100ドル、1万円相当を入金すると100%のクレジットが合計3万ドル、300万円まで支給されます。
このボーナスは、ボーナス金額÷2の取引回数をクリアすれば出金も可能となります。
たとえば100ドルのボーナスなら2で割って、50ロットの取引をすれば出金が可能となります。
500万通貨ですから、必ずしも楽に出金できる取引量ではありませんが、スキャルピングなどを主体にしていればなんとかクリアできる数字ではあります。
またこれとは別に、100%スーパーチャージボーナスがプレミアム口座だけに設定されています。
こちらは250ドル以上の入金に対して100%ボーナスが上限5万ドルまで支給されますが、あくまでクレジットだけで出金はできません。
その代わり、1ロットの取引ごとに2ドルのリベートキャッシュバックという特典がついています。
なぜここまで複雑な仕組にしているのか意味がよくわかりませんが、とにかくルールをしっかり覚えればボーナスを有効活用することができることは間違いありません。
LANDFXは、LPボーナスとスタンダード口座のボーナスの二つが設定されています。
LPボーナスは上限50万円まで100%入金ボーナスが適用されます。
入金は1万円以上が対象となりますので金額には注意が必要ですが、XMTrading同様に、普通に証拠金として利用することができますので出金はできませんが、非常に便利なボーナスといえます。
ただ、設定されたLPボーナス口座から一部でも出金するとすべてのボーナスはゼロになります。
XMTradingの場合は、出金割合でボーナスは残るのですが、こちらは一切棒引きとなるのが結構ドラスティックです。
また、スタンダード口座には10%入金ボーナス+5%リカバリーボーナスが設定されていますが、こちらもレギュレーションはかなり複雑です。
まず初回入金額に応じて10%のキャッシュバックの権利が与えられます。
その後ロスカットされずに規定の取引ロットの売買を満たしたときにサポートに連絡をすれば、10%のキャッシュバックが得られるというものです。
たとえば3万円で3000円をゲットするためには6ロット、60万通貨の取引が必要ですし、10万円で1万円のキャッシュバックを得るのには200万通貨の取引が必要となります。
この条件はかなり厳しいものがあり、たかだか3000円手に入れるのに60万通貨も取引しなくてはならず、しかも自動的に付与されずにサポートにいちいち連絡するというのは、正直ナンセンス以外の何物でもありません。
個人的にはバカバカしすぎて利用するのをやめた次第です。
FBSは上限200万までの100%ボーナスが設定されています。
しかしこの業者もボーナスのレギュレーションは、実に複雑で迂闊に100%ボーナスだと飛びつくと想定外の事態に追い込まれることになります。
まずECN口座・セント MT5口座・スタンダード MT5口座には適用不可ですから、使えない口座があることを正確に把握する必要があります。
またボーナスが適用されても、さぁ1000倍でトレードしよう!と思った途端にレバレッジはすべて500倍に制限されてしまうので、フルレバレッジが効かないことに初めて気づかされます。
よくよく規定を見れば書いてあることではありますが、1000倍のレバレッジを使いたくて登録した初心者にとっては、かなり当て外れの状況でがっかりさせられることになります。
全体的に利用してみて、オートマチックに入金ボーナスがついて、常に意識しなくても問題なく使えるのはXMTradingとLandFXのLPボーナスがお勧めといえます。
証拠金が増額、あるいは倍増する入金ボーナスは実際非常に助かる仕組みですし、利益機会に恵まれる可能性がかなり高くなりますが、あまりその規定だけを気にしてトレードしてしまいますと、正直なところ歪んだ売買に陥ってしまい投資の本質から逸脱しかねない状況になってしまいます。
とくに上の例でも分かる通り、やたらと規則が細かく設定されており、自己申告しないとボーナス支給にならないようなものは個人的には使えないと考えています。
あくまで投資をしたときに、自動的に付与される簡単な仕組を導入している業者を利用すべきで、それ以上ボーナス付与に気を遣うのはFX投資では本末転倒に思います。
とくに付与されたクレジットボーナスを、なんとか引き出すために奔走するのは、まったく無駄な作業であることが実際にトレードしてみるとわかります。
入金ボーナスは、あくまでそれをトレードに使って利益を得るために有効利用するものです。
現金化して引き出すことに精力を使うのは、正直なところナンセンスといえるのではないでしょうか。
3)プロモーションとして一時的に入金ボーナスを実施する会社
一時的にプロモーションとして入金ボーナスを実施するのは、GEMFORXとTradersTrustです。
GEMFOREXは月初と月中に、2回ほど100%の入金ボーナスプロモーションを行っています。
たしかに、最初は確実に100%ボーナスをもらえてうれしい気分になるのですが、ここも外には大きく公表していない隠れレギュレーションが存在します。
まず100%ボーナスは抽選であるということで、メールの文面には当選者限定と記載されています。
問い合わせて言われてみれば抽選なのだということがわかりますが、通常日本語で当選者限定などとは言わないわけで、まずこの時点でえらくトリッキーな説明だなと感じさせられます。
さらに当選しても前月に出金していますと、ボーナスは50%に減額されてしまいます。
そんなことどこに書いてあった?という規定ですが、これも頭にきて問い合わせてみてはじめてわかる仕組みです。
この手のプロモーションで、想定と違う結果がでて問い合わせてはじめてその実情がわかるというのは、なにか騙された気分が強く正直相当不愉快な気分にさせられます。
TradersTrustのほうは、不定期に100%ボーナスプロモーションを行っています。
今のところ新元号・令和施行記念で100%ボーナスキャンペーンが実施されています。
ClassicもしくはPRO口座をもっている顧客で、プロモーション期間中に10万円以上入金すると、最大1000万円相当のクレジットボーナスが実施されています。
こちらはあまり細かい条件がありませんので、比較的利用しやすい内容となっていますが、いつ終了するのかはまったくわかりません。
4)ボーナスプログラムを一切設定していない会社
ボーナスプログラムを一切導入していない会社もあります。
TitanFX Tradeview AXIORY FxPro MyFXMarkes はこうしたプロモーションを行っておらず、むしろ取引スペックがより使いやすいものになるように注力しているようです。
ボーナス支給の会社の口座と比較すると確かに魅力は半減しますが、海外FXになにを求めるかによっては、こうした会社の口座を利用するのも決して悪くはない部分も存在するのです。
とくにECN口座のような、名より実をとる取引条件の非常にいい口座を有効利用するのであれば、一時的なインセンティブに過ぎない入金ボーナスをあっさりあきらめるという選択も十分にありえます。
5)取引に応じてポイントが付与される会社
取引量にあわせてポイントが付与されて、それがキャッシュバックやボーナスになる会社も存在します。
XMTrading FBS BigBossがこれに該当しています。
XMTradingはXMPというポイントプログラムをクレジットボーナス、もしくは現金に転換できる仕組みになっています。
XMポイントを3で割ったものがボーナスに換金でき、現金は40で割ったものになるのでクレジットに換金するのが非常にお得となります。
還元率は長く使っていると徐々にあがりますが、最高ランクのえりーとなら1ロット、10万通貨でほぼ20XMPが付与されますので、貯めておけばかなりのボーナスポイントになります。
FBSはIB業者のキャッシュバックのように、トレーダー自身に取引量に応じて現金のキャッシュバックを与えてくれるプログラムを実施しています。
ただしその金額は、ドル円10万通貨に対してスタンダート口座やECN口座で2ドルですから、まあまあの数字であることがわかります。
大量にスキャルピングなどをされるトレーダーにとっては、結構いい仕組ということができそうです。
現金であるというのは、なかなかおいしいプログラムといえます。
Bigbossについては、BigBossPointというトレードをするともらえるポイントが加算されます。
ポイントプログラムを比較してみますと、一番お得なのはなんといってもFBSといことになります。
現金のキャッシュバックは、スキャルピングをするトレーダーにはかなり魅力的なインセンティブとなります。
XMTradingを使いなれていますと、XMPは実にいい仕組だと思うわけですが、よくよく見渡してみますとFBSのキャッシュバックはさらに効率的な仕組であることが理解できます。
こうしてみますと、確かにボーナスがあるのは魅力的ではありますが、証拠金が不足して常時足していくというのではなく、一定の証拠金だけから大きく利益が出せるようなトレーダーにとっては、現実的にはあまり意味のあるものではないことがわかります。
また未入金で取引ができるボーナスというのも、かなり限定的な金額になりますから、それをなんとか利用して資金を貯めるというのは、理論上はよくわかりますが、実際の利用には相当な制約があり、逆に取引することが非常にストレスになりやすく、やはり最低限の資金は自分で投入して始めるのが定石であると感じる次第です。
むしろ取引に応じてポイントやキャッシュバックが得られるほうに注力するのも、実は隠れた有効利用法ということができます。
海外FX業者の場合、ボーナスという言葉を頻発するため、あたかもそれが現金で付与されているかのような錯覚に陥りがちですが、あくまで証拠金を水増ししてくれるだけのプログラムにすぎませんから、結局のところ売買で利益を上げなければプラスの収入にはならないことを常に忘れてはなりません。
■円建ての口座開設が可能かどうかで日本市場への取組姿勢がわかる
実際に口座開設のプロセスを進むときになって初めて気がつくのが、口座が円建てで開設できるかどうかという問題です。
通常は円建てが当たり前のように感じるわけですが、海外FXの業者の場合取引金融機関等の問題も含めて、円建ての口座が開けないというなんとも理不尽なところも依然として存在することになります。
上の流れのように、円建てで取引ができれば入金から売買の利益の蓄積、そして出金まですべて円建てで無駄のない取引を実現することができます。
しかしひとたびドル建てになりますと、入金段階でまず円がドルに両替されてしまい、売買で蓄積した利益もドル建てですから、出金時にさらに為替レートが問題になります。
とくに我慢ならないのが銀行経由で出金した場合、取り扱い銀行の為替レートが適用になりますから、ドル円が108円でも円への転換は、1円以上低いレート適用は当たり前となってしまい、数銭単位で売買をしてやっとのことで利益を出しても、銀行送金でごっそり利益をもっていかれるというなんとも情けない状況に陥ってしまうのです。
そうでなくても海外FXからの出金には、なにかと国内業者にはない余分なコストがかかりますから、少なくともドル建てやユーロ建ての口座しか作れない業者の場合、よほどほかにメリットがないと容認できないものになります。
現在12社の中で円建てができないのは、HotForexとFBS となります。
HotForexのほうは、円建て口座を用意する予定があるようですが、一刻も早く実現していただきたいものです。
いろいろと各社事情はお持ちなのでしょうが、日本人個人投資家を取り込もうというのに、円建てで口座開設ができないというのはかなりのネックで、本当にやる気があるのかどうかを疑うポイントにもなっています。
それを超えて、こうした業者の口座を利用していくのなら、かなり明確な理由が必要になってくることは間違いありません。
■入金・出金のソリューションで海外FXの使い勝手は大きく異なる
海外FXの業者選びで、実はもっとも重要なのが、入金と出金の方法がどのように充実しているかという問題です。
これは使い始めてみて、実際に利益がでてはじめて大変重要な要素であることに気づかされるもので、ボーナスプログラムなどよりもはるかに重要なポイントであることが取引し始めたあとになってわかるものです。
・入金について
まず入金に関しては、現在ほとんどの会社がクレッジットカード、もしくはデビットカードを使ってリアルタイム入金ができるようにしています。
入金というのは、夜中の遅い時間になって、もう少し資金が足せればなんとか今のポジションを手仕舞うことなくしのげる、といった事態が必ず起きるものですから、やはりいつでも取引時間にリアルタイム入金ができる口座であることが必須になります。
もちろん国内銀行からの入金で、コストがかからないという方法を提示してくれる業者はありがたい存在ではありますが、リアルな取引ではそれだけですと、負けの原因になることが大きいという点はきをつけるべきでしょう。
・出金について
次に、もっとも重要なのは出金です。
海外業者全般に言えることですが、海外からできるだけ安く、早く日本に出金して資金を戻す手段というものが非常に限られてきています。
アンチマネーロンダリングに対する取り組みが非常に厳しくなっており、どこの国の金融当局からも相当細かく指示がでているようで、まずクレジットカードやデビットカードから入金したものは、そのルートで同額の返金扱いの出金をするところがほとんどです。
一部の業者は、返金の扱いをしないところもありますが、利用者視点で見た場合さらに余分な費用がかかるわけですから、決してうれしい話ではなく、それ以外に日本へ安く資金を戻す方法が必要になるのです。
現状では、銀行による海外送金よりもはるかに安く資金を戻せるのはbitwalletが一番で、それ以外ですと無記名のデビットカードでATMから出金のできるStickpayによる出金設定がされているところが狙い目となります。
・bitwalletの出金ができるかが大きな判断ポイント
出金に関しては現状では、とにかくbitwalletが導入されているかどうかが出金効率を高める最大のポイントとなります。
現在出金に利用できるのは、TitanFX, HotForex, Tradeview, FxPro, FBS, BigBoss で、AXIORYは突然メインバンクが変更になったことをきっかけに、bitwalletのほうから利用を禁止する措置になったほか GEMFOREXでも顧客の不正利用があったとして、今のところ一時利用禁止になっています。
またこの業界では真っ先に導入したはずのXMTradingでは、自主判断で入金分しか出金できないという、クレジットカードと同じ仕組みに変更になったことから、非常に使い勝手の悪い状況となっています。
海外FXでコンスタントに利益を上げているトレーダーにとっては、一回824円で国内の銀行まで振り込み扱いで入金してもらえるサービスは秀逸で、月に一回送金をしたとしても、年間で2万5000円以上のコスト差が出るサービスになっています。
したがって海外FXでコンスタントに稼ぐトレーダーは、なんとしてもbitwalletで出金ができる口座を利用すべきではないでしょうか。
そういう意味ではXMTradingの判断は、かなり痛いものになってしまっています。
また逆に、ほかの業者もXMTradingに足並みをそろえるようなことになれば、もはやbitwalletも使いものにならなくなる可能性を考えなくてはなりません。
・Stickpayも便利だが出金コストは安くない
bitwalletを補う出金方法として、Stickpayという入出金ソリューションが注目を浴びています。
こちらは、マスターカードの無記名デビットカードを作ることで、銀行を経由しないで国内のATMから資金を引き出せるのが大きなメリットとなっているものです。
しかし直近では、マスターカードのデビットが新規の発行をしなくなり、中国の銀聯カードしか使えなくなったのも痛いところです。
今のところ既に発行されているマスターカードは継続利用可能となっていますが、ごく近い将来的にはネッテラーのカードと同様に使えなくなる可能性が高く不安が残ります。
またコストの面で考えますと、カードでの引き出しは思いのほか手数料がかかることから、ソニー銀行軽油で海外送金出金したほうが場合によっては安いことも考えられ、bitwalletほど喜べない点が非常に気になります。
国内の銀行経由で資金を出金しないで済むというのは、いろいろな意味でプラスになりますが、海外のカードの場合そもそも円建てになっていないため、資金を引き出すまでに手数料と為替のコストを負担することになり、非常に高くつくことはあらかじめ理解しておかなくてはなりません。
・銀行による海外送金は最低限送金先のコストは持ってくれることが必須条件
銀行経由の海外送金というのは、海外FX業者では唯一残された砦のような方法になります。
したがって、最低限FX業者からの出金で、手数料を徴収するところの利用は避けたいところです。
MyFxMarketsなどは、平然と一回2000円の手数料を徴収していますし、TradersTrustはトレード回数が10回以上の場合には手数料が無料ですが、金額が2万円以下は1500円徴収されますし、10回未満のトレード回数ですと、さらに5%の手数料が発生するという猛烈なコストがかかるケースもあるのです。
たとえどれだけボーナスのプロモーションレベルが高くても、少々スプレッドがせまくても、この出金方法が揃っていないところは基本的に利用すべきではないと私は思っています。
この海外FX業者からの出金問題は、毎月定常的に海外から出金ができるぐらい安定的に利益が確保できるようになりますと、利用当初に海外FX業者に求めていた取引要件と、かなり異なる欲求がでてくることになるのは間違いありません。
最近ですと、取引要件全般ではXMTradingは非常に良好なものがありますが、直近でbitwalletから資金を引き出せなくなったのは致命的な状況で、私自信もトレード利用を控え、ほかの1000倍レバレッジ業者を利用するようになってしまったぐらいです。
それほそ出金方法というのは、大きなインパクトを利用者にあたえるものとなっています。
長く海外FX業者を付き合っていくならば、ボーナスよりもこの部分でどう納得がいく条件を提示してくれるかが最大の選択条件になることをご認識いただきたいと思います。
■ライセンス利用国の問題は気にするほどのことではない
現状で日本人個人投資家に口座開設をしてくれる海外FX業者は、ほとんど地図でも場所を指し示すことができないような国のライセンスを利用しています。
海外FXをよく理解していない個人投資家の方は、よくわからない国のライセンスで運営されている業者を利用するのは非常に危ないという人もたくさんいますが、実はこれは大した問題ではありませんし、その認識ははっきり申し上げて大間違いです。
多くの業者は、もともとEU圏やニュージーランドなどに本拠地を持っていますが、日本の顧客にフルのサービス、とくにハイレバレッジやボーナスインセンティブのプログラムを執行するためには、主要国のライセンスでは様々な規制を受けてうまくいかなくなっていることから、あえてそれ以外の国のライセンスを利用しているのです。
したがって税金上でもメリットがあるように、タックスヘブンの国に本拠地を置くケースがほとんどで、セーシェルやモーリシャス、セントヴィンセントグレナディーンなど、かなり特別な国を本拠地にしているだけで、実際のオペレーションをそうした国で行っているところはありません。
問題なのはむしろ、どこのライセンスも持たずに営業をしている業者ということになります。
この12社の中ではGEMFOREXやBigBossがノーライセンスだった期間が長く、最近やっと特定国のライセンスを取得していますので、今のところは一安心という状況になっています。
このFXというビジネスは、サーバーさえ完備し通貨のデータを取り込むことができれば、ライセンスがあってもなくても、ほぼ同じようにFXビジネスを顧客に提供することができますし、カバー先を一切もたなくても、すべて呑み行為だけで取引を実現してしまうことができるものです。
それだけに、しっかりどこかの国のライセンスを最低限でも保有していることは、業者選びの必須のポイントとなるのは言うまでもありません。
できれば複数の国のライセンスを持ち、EUやUKなど主要地域で取引を行っている業者であることが安心の印となるのです。
今回掲載している12社については、一応最低限のラインはクリアしているといえます。
■海外業者なのにDD方式の業者はあまりお勧めできない
海外FX業者の場合、その多くが少ないスタッフで効率的に業務を回していく、というネットビジネスならではの展開に注力していることから、顧客からのオーダーはすべて外部のカバー先に出し、それに応分のマージンを載せることで取引を増やして利益を上げるというビジネスモデルに集中しているところがほとんどとなっています。
これが俗にいうNDD(ノンディーリンデスク)方式と呼ばれるもので、顧客と事業者の間には一切利益相反は起こらない仕組になっているのです。
しかし海外業者でも一部の業者は、あえて社内にディーリングデスクを置いて、顧客からのオーダーに様々な取引をすることで利益を確保しているケースがあります。
ある意味国内業者と同じようなやり方をしているわけで、GEMFOREX、BigBoss、LANDFXの一部口座がはっきりとは明示していないものの、DD方式をとっているのは非常に気になるところです。
ただ、実際に取引してみますと国内業者と同様にすぐに不具合を感じることはありませんが、GEMFOREXはそれなりにリクオートがでてうまく約定しないこともありますので、なんとなくディーリングデスクの影響を感じるものがあります。
ディーリングデスクを置いている業者は、基本的に顧客と反対売買をしますし、顧客の損失こそが大きな利益になっていますので、肝心なところで約定しなくなるとか、スプレッドが妙に開くなど余分なことが起こりがちであることは確かです。
正直なところ、あまり積極的に使いたい業者でないことだけは間違いありません。
ハイレバレッジだけの魅力で、海外業者なのにあえてDD方式のところを選択するというのは、いかがなものかというのが個人的な感想です。
■STP口座のスプレッドは想像以上にどこも似たりよったり
海外FXのNDD方式によるSTP口座のほうは、明らかに日本の店頭FX業者よりもスプレッドが広いというのは、使い始めてみるとすぐにわかることです。
とくにスキャルピングでは、国内業者なら利益がでるものを、海外業者では時間をかけないと利益をとれない、という明らかに異なる状況に遭遇することはよくあるものです。
こうなると、できる限りスプレッドの狭いところを利用したくなるものですが、12社のうちのSTP口座を利用した印象では、平均値だけでスプレッドが広いとか狭いとかを語っていますので、正直あまり違いは感じられません。
ドル円で言えば、2銭程度のスプレッドと1.2銭程度のスプレッドでは、確かに狭いほうが多少は有利な感じがしますが、決定的な使用感の差は感じられないものがあります。
したがって、ご自身で日常的に使う通貨ペアのスプレッドを比較してみて、違いがなければあまり神経質になる必要はないのではないでしょうか。
実際STP口座を並行して使い比べてみましたが、感覚的に狭い印象はあっても、平均するとドル円は2銭程度の幅を設定しているところが多く、国内の原則0.3銭のようにもの凄く違うという印象は持てなかったのが実情です。
もともとこのSTP口座のスプレッドは、業者にとって唯一の利益ソースですから、この部分からボーナスプログラムの資金もでていますし、IB経由のキャッシュバックの資金も捻出しているわけで、ボーナスなどのインセンティブを提供する業者のスプレッドが狭くなるわけはありません。
残念ながら、一度に利用できる海外FX業者はせいぜい3社程度ですから、スプレッドの狭さに対する印象は個人の感覚的なものですが、STP口座についてはとくに秀逸なものは感じられなかったのが正直な印象です。
そのほかの条件を総合的に勘案して、割り切って利用することが重要ではないかと思います。
とくに最小のスプレッドベースで比較するのは、ほとんど意味はありません。
ただ、実際に使ってみてこれは我慢がならないと感じるスプレッドであれば、やはり利用を断念するのも一つの考え方といえます。
海外FX業者の比較サイトでは、よくこのSTP口座のスプレッドを詳細比較しているところも多く見受けられますが、実際に使ってみますとそれだけに執着することがあまり意味がないことが見えてきます。
■むしろスプレッド以上に問題になるのは約定力の差
海外FXというだけあって、どの業者を利用してもサーバーはすべて海外に存在していますから、約定力というのはそれほど違わないと思われる方も多いと思いますが、実際に売買してみますとその使用感は結構異なるものがあります。
リアルな使用感から言えば、スプレッドの数字よりも約定力が速くて確実なほうが印象はかなりよくなるものです。
まず速いと感じるのは、サーバーのシステムに高速に対応するデータセンターのソリューションを導入しているところで、具体的な名称でいえばHotForex、FXPro、AXIORYはかなりの速さを実感させられます。
残念ながら正確な秒数を測って比べることはできませんが、この3社は間違いない状況です。
一方、国内では海外FXブランドとしては人気の高いXMTradingですが、今年の3月に以前のサーバーからすべて新しいサーバーに移行してからというもの、非常に約定スピードが落ちており、約定しないわけではありませんが数十秒かかることも多く使い勝手はかなり悪くなっています。
またサーバーにつながらない時間も多く、これまでの約定力の良さがすっかり台無しの状態です。
もちろん回線などを含めた個体差はあると思われますが、同じ実機で並行比較してよろしくないわけですから、やはりサーバーシステムのチューニングには課題があるのではないかと思う次第です。
この件について業者サイドはどこまで詳細理解しているのかわかりませんが、正直うまくトレードができないというだけでも相当なストレスで、長年使い慣れたXMTradingは非常に残念ですが、ここのところ利用が減少している状況にあります。
GEMFOREXのサーバーは、明らかに早く決済ができますが、12社の中で他ではほとんど出ないリクオートが結構でるのが気になります。
成り行きの注文でも滑って約定しないというのは、かなり気分の悪い状況でさらなる改善を望みたいところです。
もともとDD方式の業者なので、リクオートが頻発するとなにか操作でもしているのでははいかと疑いたくなりますが、スピード感はXMTradingよりも速いのは事実です。
この約定力の差というものに決定的な違いを見出すのに役立つのは、MT4の場合一括決済のインジケータをインストールし実行してみたときです。
HotForexやAXIORYでは一括決済は本当に一瞬で決済しますが、最近のXMTradingですと、1,000通貨を30個ポジション保有して一括決済すると、ひとつづつ決済していくのにそれぞれ0.5秒ずつぐらいかかるケースもあり、狙った利益がとれないという問題が現実に起こっています。
したがって同値撤退などでは、一括決済はよほど用心して使わないとうまくいかないといった問題も起きています。
■取引利便性から考えると意外にお勧めなのがECN口座
国内のFX投資家の場合、ほとんど眼中にないのが海外FXにおけるECN口座の存在です。
今回ご紹介している12社の中では、GEMFOREXのゼロスプレッド口座はよくわかりませんが、それ以外はすべてECN口座を設置しています。
このECN口座は、各業者ごとにカバー先のインターバンクを十数社程度契約して、電子商取引所の中で売買を行う仕組みをとっておりアルゴリズムで最適化をはかっています。
したがって最小スプレッドはゼロになることもあり、約定力はどの業者でも非常に高いのが一つの傾向になっています。
各社比較してみますと、やはりSTP口座でも約定力の高い業者に軍配が上がる傾向がありますが、どの業者でも非常に使い勝手がいいのが大きな特徴となっています。
また外だしになっている手数料は、確定申告時に経費として計上できるのも大きなメリットとなっています。
このECN口座は、海外FX業者にとっては利益機会が限られるものであることから、ほとんどの業者が入金ボーナスの対象としないような措置をとっていますが、インセンティブが一切なくてもかなりお得な取引をすることができ、実は海外FXの中では隠れたお得口座であることが使ってみるとよくわかります。
レバレッジ的に制限を受けている口座もありますが、実はこれがもっとも利用価値のあるものなのではないかとさえ思う取引の効率性があります。
ECN口座の場合、最大のレバレッジはどこでも500倍が上限となりますので、これまで1000倍レバレッジを含めて選択肢を考えてきたのとベストチョイスが大きく変わることになります。
とくに約定力からみると、Titan FXやFxProといった口座も、十分に選択肢として考えていけるものになるのです。
またAXIORYが提供するcTraderを試してみるというのも、ECN口座の利用では大きなチャンスになります。
■海外FXではスワップは総じてあまり期待できない
国内では依然としてスワップ狙いで新興国通貨をロングにする個人投資家が多いわけですが、ハイレバレッジの環境では長くポジションをもつという取引自体が、ハイレバとの親和性のないものとなっていることから結構難しい状況にあります。
とくにドル円やユーロドルといった、主要通貨ペアではあまり違いが感じられない状況にあります。
それでもトルコリラなどは、それなりのスワップがとれることになりますが、海外FXでは新興国通貨でのクロス円設定の通貨ペア設定がないことから、ドルトルコリラやユーロトルコリラのショートにした場合には、それなりに資金も必要になりあまり妙味がないのが実情となってきています。
やはりハイレバを活かすのであれば、スワップを狙うよりも短い時間でキャピタルゲインを狙うほうに注力するのがどうも間違いがないようです。
ただ、一社面白いスワップ設定をしているのがGEMFOREXで、この会社はドル円とユーロドルについて売っても買ってもスワップがつくというかなり特別な設定がされています。
いまもところの金利状況からそうなっているので、この先どうなるのかはわかりませんが、両建てでポジションをもってもショートにしてもスワップのコストがかからないというのは、かなりありがたい設定で、ドル円をショートする向きにはお勧めの口座ということができます。
ただし、売っても買ってもつくスワップは他社に比べてかなり小さいですから、スワップ狙いというよりはショートにしてもスワップの支払いを免れるという部分に注目すべきでしょう。
12社も利用していますと、たまにこうしたレアな口座にお目にかかることができるのです。
■設定商品の差が大きくつくのがCFDの領域
海外FX取引であまり皆さん詳しくないのが、CFDの領域の取引です。
実はここは未開拓エリアだけあって、各社にお宝的な商品と取引条件が隠されています。
まずXMTradingでいいますと。貴金属の金や銀はなんと888倍でFXとまったく同じ条件で取引が可能になるのです。
これはかなり少ない証拠金で大きな取引を可能にしてくれて、FXと同じ目線で取引ができる点は相当秀逸です。
また日経225Cashは0.5%、つまり200倍のレバレッジで売買可能ですから、日経平均が2万2000円ならたったの1枚110円で取引ができてしまうのです。
これは12社のCFDを比較してみても、最大のレバレッジでかなり便利です。
海外FX業者の場合、日経平均は現物も先物も、海外FXではそれほど証拠金が安くないケースが多いのですが、XMTradingは最小限のロットで高いレバレッジを使って取引が可能となるのです。
実はこの視点でみていきますと、いわゆる株式指数には商品設定がほとんどないのですが、FBSは金や銀、さらにWTI原油、そして米国を中心としたGAFAなどの個別有名株を、すべて3000倍という驚くべきレバレッジで購入することができるようになっているのです。
もちろん相場が大きく動けば大きな損失を抱えることになりますから、相当注意が必要ですし、最小の取引ロット数も大きくなりますが、超効率取引ができる銘柄を持っていることがわかります。
これは、国内では絶対に味わえない超絶の取引商品ということができます。
またそこまでの高いレバレッジを発揮することはないものの、CFD領域で幅広い商品構成をセットしているのがHotForexです。
こちは株式指数のラインナップと米国、欧州を中心としてFBSよりもさらに幅広い商品設定がされていますので、証拠金は高くなりますが、面白い取引ができることは間違いありません。
この領域は、詳細を語り始めると紙面がいくらあってもきりがないほどの情報になりますので、12社まとめ論評するのは大変ですが、探せばそういうお宝商品が眠っているということだけはご理解いただければと思います。
今のところ、XM、HotHorex、FBSの3社は、CFD取引では非常に注目すべき存在といえます。
■ゼロカット方式が自動的に行われる業者も必須の状況
海外FX業者といいますと、ゼロカット方式は当たり前という印象がありますが、実はゼロカットが導入されていない業者も現実に存在しますし、口座がマイナスになって時に、いちいちサポートデスクに連絡しないとマイナスが解消されないという不思議な運用を顧客に強要するところも利用するべきではありません。
今回の12社の中で、BigBossはかなり気になる存在で、基本的にゼロカットシステムが実装済みとは謳われていますが、同社の判断により公平性のかける取引をした場合には追証が発生する旨が注意書きになっており、自動的なゼロカットシステムではないことが気になります。
またLANDFXは、マイナスになったときにその都度サポートセンターに連絡する必要があります。
なぜこのような仕組にしているのか意味がよくわかりませんが、個人的にはこういう運用を求めらる業者はアウトです。
XMとHotForexは、次の入金時にはゼロカットが反映されますし、FXProやAXIORYはマイナスになってから24時間以内にゼロカットが自動的に実行されます。
Titan FXはロールオーバー時のマイナスが解消されるなど、実施のタイミングは各社異なりますが、ほとんどは自動的に実施されますのでまずこれは必須の取引条件といえます。
すべてが自動で行われるネットビジネスのモデルで、サポートに連絡しないとワークしないようなビジネスを行っている業者はおよそ利用すべきではません。
■日本語のサポートデスクに連絡しても返事も来ないようなところもアウト
海外FX業者は、日本語サポートデスクを設定しているところが多いですが、人数や労働時間の都合で24時間リアルタイムで対応してくれるところはほとんどないのが実情です。
いろいろ使っていますと、さすがに仕方ないかとは思いますので、最低限日本語でメールのやりとりができればまぁ良し、とせざるを得ないのではないかと思いますが、実は最近ではこんなこともありました。
TradersTrustで10周年のキャンペーンがあり、新たに専用の口座を開設すればトレードコンテストに参加できるというので、自分で持っているIB経由のキャッシュバックアカウントを利用した場合、こうした取引がキャッシュバックの対象になるかどうか日本語で問い合わせてみましたが、いまだに回答もなくわからない状況です。
たいした問題ではありませんが、こうしたところで顧客対応レベルの違いがわかる次第です。
■まとめ【12社使ってみての最終的な選択の優先順位】
今回ご紹介した12社の海外FX業者の口座開設をして利用してみますと、MT4やMT5を使ったトレード自体はNDD方式のSTP口座ならば、実はそれほど大きな違いは感じませんでした。
もちろんツールが同一ですから、使い勝手もレバレッジの違いもほとんど感じないのですが、一番印象が違うのは何といっても約定力だということを強く印象付けられました。
そういう意味では、ボーナスプログラムのことが海外FXの優先順位の中では高い部分を占めているわけですが、むしろECN口座のようは本質的にレベルの高い売買ができる口座の方に注目することのほうが、海外FXの本当バリューを使いこなすものになるのではないかという感想をもった次第です。
今回12社を一気に使ってみたことから考える海外業者の選択条件としては、次のようなことが挙げられます。
1)最大レバレッジ
2)入出金ソリューション設定(現状ではカード入金、bitwallet出金は必須)
3)約定力
4)ボーナスの設定
5)ゼロカット方式の実装
6)ややこしい出金条件がないこと(月間回数、取引量との連動等)
それぞれのトレーダーの理解と発想でこの選択条件の順番はかなり変わることが予想されますが、私の場合10年以上海外FXを使い、しかも直近で12社を利用比較してみた結論がこれになります。
この6つの条件をかなりバランスよくこなしているのはやはりXMTradingであるといえます。
ただ、出金条件で最近では非常にがっかりさせられています。
そのため、円建ての口座が開設できないのは残念ですが、HotForexをその代替えとして利用を拡大しています。
また1111倍のレバレッジをうまく利用したい場合には、BigBossがいいと思います。
また500倍のレバレッジで良い場合には、TitanFXがかなりベストな口座ではないかと思っています。
12社並行利用してみますと、各社それなりにいいところと悪いところがあり、なにを選択基準のプライオリティにするかによってかなり評価のわかれるところですが、ハイレバレッジは必須としてもボーナスについては、正直なところあまりこだわっても仕方ないのではないかという気がしています。
安定的に資金をまわして利益が上げられるようになると、取引によるポイントやキャッシュバックは重要になりますが、入金ボーナスはほとんど意味がなくなります。
こうした感覚も、ネット上に書いてる情報だけのスペックで、海外FX業者を比較しランキングするものとは、かなり異なるものではないかと思います。
以上、海外FX業者12社の一気利用レポートをお送りしました。
少しでもこのレポートが、海外FXを利用される皆様方の参考になれば幸いです。