海外FX業者の口座で取引する場合に、非常に大きな問題となるのが入出金の問題です。
海外業者はこれまでにも、時間と手間とコストのかかる海外送金のほかに、オンライン上で決済を行えるサービスを採用してきましたが、ネッテラーやSkrillの利用が次々とFX取引上で規制を受けるようになってから、かなり下火になってきてしまっています。
しかし、昔から有名で未だに使用可能性のあるPaypalも、代価サービスとして何とか生き残っている状況にあります。
今回は、全世界にユーザーを持つ有名オンライン決済会社Paypal(ペイパル)について見ていきます。
もくじ
■Paypalについて
・電子決済サービス
Paypal(ペイパル)は、アメリカ企業PayPal社が提供する、オンライン決済サービスのことです。
実は世界最大のネットオークションの会社eBay(イーベイ)に、2002年に買収された子会社でもあり、ショッピングなどにも多く利用されてきましたが、2015年にはさらに別会社として独立し現在本拠地をシンガポールに置いています。
FX業界よりは、むしろ一般のネットユーザーにも馴染みがあり、世界で一番利用されていて知名度もある電子決済会社、ネット決済代行会社と言うことができます。
同社はすでに、世界中に1億を超えるアクティブアカウントを持つ顧客がいます。
一つの大きな特長としては、会社側にクレジット情報を渡す必要がなくペイパルが仲介して代行してくれるので、トラブルに巻き込まれる心配がなくなります。
・電子メールに紐づけられた口座
サイトでの口座開設時、基本的に必要な個人情報はメールアドレスとクレジット番号などカード情報のみ、口座番号などの銀行情報を記入しなくていいので、管理も面倒臭くなく、安心です。
PayPal口座は電子メールと紐ずけされているので、たとえ不正利用があったとしてもメールですぐに知らせてくれ、すぐに発覚します。
このように、非常にセキュリティ面でも優れた電子決済ツールであると言えます。
・22通貨が利用可能
もちろんPayPalは国際企業なので、全世界でつかわれており、通貨建てで支払うことも可能で、世界の主要通貨合わせて22通貨が利用可能となります。
■Paypalで海外FX口座へ入金
・Paypal口座に入金
ペイパルを使うための入金手順は、まず先にアカウントを作ってからペイパル口座に入金します。
残念ながら現在日本国内銀行からPaypalに入金は出来ません。
・Paypalへの入金方法
ペイパルの入金サービスは、基本的にはクレジットカード入金となります。
クレジットカードは、主要な会社であればほぼどのようなカードであっても利用可能です。
基本的に入金手数料というもの自体はありません。
・Paypal口座から海外FX口座へ
ペイパル口座に入金した後は、対応している海外FX口座へ入金することができます。
カード決済完了後の口座への反映もリアルタイムなのも嬉しいところです。
・手数料がかかる
ここでの注意点は、手数料無料ではないことです。
Paypalはオンラインの決済仲介サービスなので、Paypalまでの入金はお金がかからなくてもそこから先は手数料を払わなければなりません。
この時、異なる為替で入金した場合為替手数料2.5%がかかります。
そして資金受け取りの場合には手数料として、「2.9~3.6% + ¥40 JPY」がまた別にかかってきます。
送金手数料は個人なら無料ですが、法人ならば3%前後かかってしまします。
■海外FX口座からPaypalへの出金について
入金ができるなら、当然出金も可能になります。
・海外FX口座からPaypal口座へ
開設した海外FX業者が、Paypal口座への出金に対応している場合、利益が出た場合、トレード口座からPaypal口座への出金は可能です。
この場合、ペイパルはビジネスアカウントでなければなりません。
ではペイパルのオンライン送金サービスを見ていきましょう。
・入金時の手数料が戻ってくる
入金〜半年以内に出金した場合には、この手数料は返金されます。
スキャルピング手法などを駆使してFXされる方には、Paypalはお得と言えるでしょう。
・Paypal口座から出金
ペイパルの出金は日本円で円口座に限られ、為替手数料を回避することは無理です。
出金処理も非常に高速で、入金完了してから即日に反映されることが多いので、少なくとも3営業日あれば確実に反映されるでしょう。
・Paypal口座からの出金方法
ペイパル口座からの、送金方法をみていきましょう。
クレジットカード出金ならば、マネーロンダリング規制の関係から入金した金融機関と同じ機関でしか出金できません。
これはクレジットカードのシステム上、取り消し扱いで出金にしている関係もあります。
しかしペイパルならば、この点はある程度融通が利き、自分の好みの金融機関が選べます。
送金先銀行情報を記入すれば、国内口座に国内送金、そして国内銀行入金もできます。
・日本の銀行への送金手数料
日本の銀行から引き出す場合、50,000円相当以上なら無料となります。
なので、なるべく一度に多く引き出すことをお勧めします。
日本の銀行口座への送金期間は、3-6営業日くらいとなります。
■問題は利用できる海外FX業者が激減していること
ここまでお読みいただいてから、海外FX業者におけるPaypalの利用状況をご案内するのは申し訳ないですが、最盛期には22社ほどの主要海外FX業者で設定のあったPaypalによる入出金は、日本で人気の業者ではほぼ消滅しています。
XM、FBS、IronFxといった、主力の業者でもほとんどが利用選択肢から除外されていますので、実はほとんど使い勝手がないことがわかります。
ひとつはクレジットカード以外にも、デビットカードやプリペイドカードが利用できることになったので、あえてPaypal経由で資金を入金する需要が激減したことが挙げられます。
クレジットカード決済の契約をもたない小さな業者は、依然としてEC決済の有効な手段としてPaypalを利用していますが、こと海外FXに関して言いますと利用者は限定的で、業者側に設定があったとしても、あえてこのサービスを利用する必然性が著しく乏しくなっているのが現状です。
まとめ
ネッテラーやSkrillなどが、海外海外FX業者でうまく利用できなくなってから、一瞬Paypalが注目された時期もありましたが、手数料という点からみると直接デビットカードなどでリアルタイム入金するのに比べると、決してお得なツールとは言えません。
普段の買い物には、文句なしで便利で安全なツールと言えるのですが、FX用のツールとしては最適とは言い難い状態です。
できることならクレカ、デビットカード入金やMybitwallet入金などを優先して、どうしても必要に迫られたときに利用するのがPaypalということになりそうです。
しかも、そもそも利用できる業者が激減していますので、使いたくても使えない状況といえます。
こうしたオンラインペイメントも、かなり栄枯盛衰があることがあらためて理解できる状況です。
ペイパルに対応しているブローカーは少ないですね。
私が知っている限りではFXproぐらいです。