海外FXでは業者によって約定力というものが違います。
約定力はFXトレードを行なうにあたって非常に重要ですので、これから海外FXを始められる方や、約定力という言葉を知らない方は是非とも知っていただきたいところです。
そこで、この記事では約定力の意味や約定方式について徹底解説していきます。
■約定力とは?
FX取引は自分が発注した価格で約定できるとは限りません。
例えば、1ドル100円で買いを入れても100.10円などで約定したり(スリッページの発生)、注文自体が成立しないケース(リクオート(約定拒否))もあります。
約定力が低いと、このようにトレーダーが求めた価格で約定できない事が多くなり、取引コストも非常に高くなってしまいます。
逆に言えば、約定力が高ければ求めている価格で約定できやすくなるのです。
この約定力は、実はFXブローカーによって違っていて、約定力が高い業者があれば約定力が低い業者もあります。
FXを行なう上で約定力は非常に重要であり、口座開設時の業者選びの際には業者の約定力もしっかりとチェックを行わなくてはいけません。
■海外FX業者は約定力が高め
高レバレッジ、ゼロカットシステムなどメリットの大きい海外FX業者ですが、実は他にもFXトレーダーにとって大きなメリットを海外FX業者はもっています。
それは、国内FX業者よりも海外FX業者の方が平均的な約定力が高いというメリットです。
実は、市場調査のパイオニアである矢野研究所が過去に行なった調査では、主要国内FX業者7社の平均約定率は84.8%となっています。
約定率調査結果:国内FX業者 | |||
対象 | スリッページ発生率 | 約定拒否発生率 | 提示価格での約定率 |
国内主要7社 | 14.143% | 1.057% | 84.80% |
それに比べて、大手海外FX業者5社の約定率は99.446%と非常に優秀な数値が出ているのです。
約定実力:海外FX業者 | |||
対象 | スリッページ発生率 | 約定拒否発生率 | 提示価格での約定率 |
XM | 0.08% | 0% | 99.92% |
Traderstrust | 0.10% | 0% | 99.90% |
FXGLOBE | 0.80% | 0% | 99.20% |
AXIORY | 1.00% | 0% | 99.00% |
ACEFOREX | 0.79% | 0% | 99.21% |
国内FX業者も頻繁にスリッページや約定拒否が発生するわけではありませんが、比較するといかに海外FX業者の約定率が高いか分かります。
スリッページが頻繁に起こってしまうと取引コストがどんどん上がってしまうため、それを回避するためにはスプレッドよりも約定力を重視するべきです。
そう考えた場合、海外FXの約定力は非常に魅力的といえるでしょう。
■約定方式の種類ついて
この項目では約定方式について徹底解説を行なっていきます。
①DD方式
DD方式とはディーリングデスク方式といい、多くの国内業者が採用している約定方式となっています。
OTC方式と呼ぶ場合もあります。
ディーリングデスク方式は、その名のままの方式でありFX会社内の机の上でトレーダーのポジションを処理することを指します。
FXは通常「インターバンク」と呼ばれる銀行から受けるレートをトレーダーに提示し、そのレートを見てトレーダーは注文を発注するのですが、DD方式の場合顧客の注文をインターバンクに全て流すのではなく、同じFX業者を利用しているトレーダーの中から条件の合うトレーダーを探し出し売買させるのです。
例で言いますと、あなたが1ドル100円で買い注文を出した場合、DD方式を採用しているFX業者を利用しているならば、同じFX会社を利用しているトレーダーの中から1ドル100円で売りに出している同条件のトレーダーを探し出すのです。
そして、売買が成立しなかった場合のみインターバンク市場に注文を流すこととなります。
DD方式は昔から『スリッページ』の問題が疑問視されてきました。
なぜなら、DD方式はシステム上バーチャルディーラープラグインによる不正な約定操作が可能な方式であるためです。
また、海外FX業者の8割以上がNDD方式を採用している中、多くの日本国内FX業者がDD方式を採用している事に疑問を持っている方も多いです。
②NDD方式
NDD方式はDD方式とは異なり「インターバンク」へ直接注文を流す方式です。
例としまして、トレーダーが1ドル100円で買い注文を出した場合NDD方式を採用しているFX会社を利用しているならば注文はインターバンクにそのまま流れます。
そして、売買が約定しそれを顧客に返すのがNDD方式を採用しているFX会社の役割となるのです。
また、NDD方式には以下のようなメリットもあります。
(1)約定がスムーズ
インターバンク直結方式は、トレーダーとFX業者間のカバーを自動システムで行います。
人を介さないために非常にスピーディに処理ができるため、スムーズな約定が行えるようになります。
(2)スリッページの可能性が低い
インターバンク直結方式ではそのスピーディな処理により、注文レートと約定レートのズレによるスリッページの発生を抑えるのにも役立ちます。
値動きが激しい状態の時などデイトレードをする際に非常に便利です。
(3)スプレッドの幅が狭い
マーケットの情勢により変動するスプレッドですが、平均して狭いと言えます。
カバー先が多いFX業者であれば、値段の提示もトレーダーに有利な状態にできます。
自動的に投資家に有利なレートを選ぶ為に売りと買いのレートが逆転して、マイナススプレッドになることもあり利益が出ることもありますが、間違いではありませんので心配はありません。
(4)実勢レートとほぼ同じ
FX業者内でディーラーを介することが無く、マージンや時差とったものがないので、常に実勢レートとほぼ同じで取引が可能です。
インターバンク直結方式ですので、きちんと直結したレートが提示されるので、悪意のあるレート操作の心配もなく、非常に透明性があります。
(5)倒産リスクを回避できる
インターバンク直結のFX業者は、カバー取引をディーリングデスクを介さずに全て自動システムにて行います。
つまり、ディーリングデスクが削減されることにより、倒産のリスクも低くなるのです。
非常に多くのメリットがある約定方式となっており、海外FX業者の約定力が高いのも納得がいきますね。
③STP方式
STP方式は「ストレート・スルー・プロセッシング」の略であり、前述したNDD方式に分類される約定方式です。
トレーダーの注文をFX会社が他の銀行やLPなどのカバー先に流す方式を指し「多くの場合取引手数料が無料」「最小取引通貨や最小入金額が低め」などのメリットがあります。
しかし、気配値や板情報が使えないというデメリットも存在します。
④ECN方式
ECN方式は「エレクトニック・コミュニケーションズ・ネットワーク」の略であり、電子取引所取引とも言います。
インターネット上でトレーダー同士が注文を出し合い、価格が合意すれば注文が実行される方式です。
ECN方式のメリットとしましては、「透明性が高い」「気配値や板情報が分かる」「スプレッドが狭い」などが挙げられます。
しかし、最小取引通貨や最小入金額が高めであったり、自分が発注した価格に合意するトレーダーがいなければ約定しないなどのデメリットも存在します。
■約定力の重要性まとめ
海外FXのみに限らずFXでは、緻密に価格を計算して注文を出しても約定力が低ければ、その価格で約定できる可能性も低くなってしまいます。
すると、トレードコストなどのリスクが発生してしまうので、約定力とは利損益に直結する大事な要素なのです。
また、海外FX業者は総じて約定力が高めなので、もし今現在利用しているFX業者の約定力に満足いっていないならば、この機会に業者の見直しをしてみてはいかがでしょうか。