トルコリラというと、とにかくスワップポイントがつくことに多くの本邦個人投資家が異常な執着心をもち、ほとんどの人達が延々とトルコリラ円の通貨ペアをロングして結果的に相場が大暴落、国内業者から強制ロスカットに加え追証まで求められて、大打撃を受けた2018年の8月相場になりました。
しかし、このトルコリラを売っていたら果たしてどうなっていたのでしょうか?
しかも、それを海外FXのハイレバの取引条件で行っていたら、果たして儲かったのでしょうか?
今回、XMでドルトルコリラを買う、つまりトルコリラを売っていたらどうなっていたのかを、年初1月初旬に売った場合と3月1日に売った場合にわけて、実際に計算して考えてみることにしました。
私はこの期間に売ったわけではありませんから、全くの結果論からのあくまでタラレバ推定ということになりますが、実はその結果は驚愕の利益がでていたことが判明してので、詳細をご紹介することにいたします。
もくじ
■USDTRYはなんと8か月で2倍弱ほど価格が上昇
ご覧いただいているのは、Investing.comのドルトルコリラの週足のチャートになります。
国内の個人投資家は、スワップ狙いからほとんどトルコリラ円の通貨ペアにターゲットを絞って、この通貨ペアをロングするのが基本的な習慣となっているでしょうから、ほとんどの方はドルトルコリラのチャートをご覧になった経験がないかも知れません。
トルコリラ円が、年初から下落しはじめたのと時を同じくして、年初に対ドルで3.7148だったトルコリラは、その後どんどんリラ安が進み、今年の8月12日に瞬間的に7.2000レベルまで上昇、つまりトルコリラ自体が暴落する局面を迎えることになります。
このトルコリラは、対ドルでは小数点第4位の数字が1PIPSですから、スプレッドなどを含めてざっくりと3.7200で購入して最高値付近の7.0000で売り抜けることができたとすれば、32800PIPSというかなりの利益を獲得できたことになるのです。
ドルトルコリラの場合は、ドルを買ってトルコリラを売るという形になるので、トルコリラ円とは逆ですが効果は同じことになったわけです。
この利益を聞かれるとなにそれ?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ドル円で考えれば111円の相場が短期間のうちに約53%の価格、58.9円になってしまったわけですから、この期間にポジションを持っていれば、猛烈なPIPSを稼ぐことができてしまったことになるのです。
その位、今回のトルコリラの暴落というのは、主要通貨に対して大きく価値を下げることになっていることを改めて痛感させられます。
■XMで年初に1000通貨USDTRYを買っていたらどうなったか?
XMにはさまざまな計算機能がホームページに実装されていますので、まずは1000通貨単位を年初1月4日買って、延々と持ち続けて8月12日にほぼ最高値付近で売ったと仮定した場合の、シミュレーションによる想定利益を計算してみることにしました。
ハイリスクな新興国通貨ですが、XMの最大の妙味であるハイレバレッジを活かして888倍で売買しますと、証拠金は1000通貨でたったの124.52円ということになります。
もちろんこれは足元のレートで計算していますので、購入当時のレートを想定しますと少なくともこの倍ぐらいの240円見当であったことが推測されます。
まあたったの240円ですから、リスクを負担してもかなり小さな取引となったことは言うまでもありません。
一方、ドルトルコリラのスワップポイントを計算してみますと、次のような数字がXM計算機から算出されることになります。
1000通貨当たりの買いによるスワップ負担は1日56.61円ですから、確かに相当高いことがわかります。
ドル自体は、日本円よりも政策金利が高いのでトルコリラ円で売るよりは多少ましと言えますが、そもそもこのスワップは業者が自己都合で設定していることが多いため確実に金利差を反映していないことが多く、XMのドルトルコリラ買いのスワップ負担も相当大きなものといえます。
これで、今年1月4日の正月三が日明けに、1000通貨購入してトルコリラ瞬間大暴落となった8月12日に、ほぼ高値の7.0000で利益確定した場合、実に延々220日スワップを払い続けていくことになったわけです。
金額でいいますと、
55.67円×220日=12,454円の負担となります。
さて、実際に売却して32800PIPSの利益を確保した場合には、
32800×1.67=54,776円がキャピタルゲインとなるわけです。
ここからスワップ負担を差引ますと、
54.776円ー12.454円=42,322円の利益ということになります。
たった240円見当の証拠金を、7か月寝かしてみたら4万2000円超の利益がでたことになります。
もちろんタラレバですから、後から考えればいくらでも皮算用はできるわけですが、1万通貨を保持していたら42万円、10万通貨なら420万円の利益がでた勘定になりますから驚かされます。
これを表にしたものが、下の一覧になります。
驚くほど限られた証拠金で、大きな利益を得ることができたことになるわけです。
実際に、どの位の人達がこうした取引を行ったのかは全く不明ですが、大きな資金でなくても限られた通貨数で、それなりのまとまった金額を手にいれたクレバーなトレーダーがいたことだけは間違いなさそうです。
海外の投資ファンドでも、トルコリラを売って儲けたという話をよく聞きますが、つまりはレバレッジは別としてもこういう取引きの仕組みを利用してたのでしょう。
■上昇が確認できてからでも十分に儲かった
さすがに年初に、相場がどうなるかわからないのに、ドルトルコリラを買うというのはかなり至難の業であることは間違いありませんが、それならばいよいよ様子がおかしくなり始めた2018年の6月1日、すでにトルコリラが対ドルで4.0を超えたあたりに購入したらどういうことになっていたでしょうか?
それをシミュレーションしてみたのが、こちらの表になります。
保有期間は、ドルトルコリラが暴騰し始めて4.0000を超えたところから購入を決めることを想定します。
保有期間は6月1日から8月12日までの103日(約2か月半弱)で、この日の終値である6.8000という、比較的だれでも売却し易い価格での利益確定を見込むことにしました。
この条件ですと、同じ1000通貨単位では保有期間が短いことから、スワップの負担が断然軽減されて3万8400円の利益、1万通貨なら38万4100円、10万通貨ならば384万1000円を手に入れることができたことになるのです。
ドルトルコリラの場合、スプレッドは平均で30PIPS以上ありますし、暴騰暴落という局面ではスプレッドがそれ以上に開くこともありますから、確実にここで計算した利益数字を確保できたかどうかは怪しいところもありますが、仮に100PIPSというワイドスプレッドが示現したとしても、かなりの部分の利益は確保できたことが明確に理解できます。
■スワップが儲かるというのは心理的な幻想に近いものがある
日本の個人投資家は、とにかくスワップのような金利を日銭で稼ぐのが大好きな国民のようで、とにかくトルコリラといえばロングにしてスワップを稼ぐことが、17%超の金利を稼ぐのには必要不可欠という意識が、最初から根付いてしまっている感があります。
しかしキャピタルロスが、一定期間で10%を超えるような自体になれば、相当な高金利でもスワップで得られる金額を超えて、もとの投入資金が失われていくことになりますから、高金利通貨をロングにして長く保有するという発想は、かなり間違った戦略となっていることがご理解いただけるものと思います。
もちろん海外業者によっては、ここに示したマイナススワップをはるかに超える大きな負担を強いるところも存在するものと思われますが、とにかく元の為替の水準が半分になるといった異常事態の場合には、キャピタルロスのほうがインカムゲインよりも大きくなるという点だけは、しっかり認識しておく必要がありそうです。
■XMの計算機を利用すれば取引前にすべて利益の事前推定が可能
ここでご紹介しましたXMの計算機は、誰でも利用できる秀逸なものです。
※XM計算機の公式URL
https://www.xmtrading.com/jp/forex-calculators/all-in-one
これを利用すれば足元の価格から考えた証拠金、スワップポイント、利益獲得で得られる日本円の金額などを自在に計算することが可能です。
クロス円のように円が絡んでいるものはPIPS計算も実に簡単ですが、異なる日本円以外の通貨ペアでは1PIPSで果たしていくら利益がでるのかわからないことも多いものと思われます。
そんなときにこの計算機を利用すれば非常に簡単に計算ができて、取引の前に売買戦略がワークするかどうかを確かめることができるというわけです。
足元では一旦トルコリラの下落は一息ついていますが、ここからはトルコリラですと中央銀行がインフレの上昇に見合う形で利上げを行わないと、またしても売り浴びせに直面することが考えられ、ここでご紹介したドル買いトルコリラ売りという売買スキームはまだまだ機能しそうな状況といえます。
高金利通貨であるトルコリラを、あえて売ってドル円を買うというのは相当な冒険に見えますが、実は目先で支払うべきスワップの計算がしっかりとできていれば高金利通貨を売ってもしっかり利益にありつくことができるのです。
XMでいいますと、ユーロトルコリラやドル南アランド、ユーロ南アランドなどでもしっかり事前検証してみますと意外にワークすることを発見できる可能性もありそうです。
トルコリラですと、日本円との組み合わせがないからなかなか使いにくいと思われている方も多いかと思いますが、ハイレバレッジを利用すれば驚くほど限られたリスク負担で売買が可能になることに気づいていただければと思います。
仮に自ら損切をしなくても、ゼロカットシステムを利用すれば投入資金以外にはまったくリスクがかからないのも、XMをはじめとする海外FXの大黄なメリットということができます。
仮に相場が想定した方向から突然逆に動き出しても、失う証拠金は投入額だけですから、国内の店頭FX業者で売買するよりかなり安全であるともいえるのです。
海外FXで、マイナー通貨ペアの取引をしますと、スプレッドも広いですし結構怖い印象もあります。
またスワップポイントは、特に高金利通貨を売った場合想像以上に大きなものになりがちですが、事前シミュレーションがしっかりしていればこうした通貨ペアの取引でも十分に利益を確保することができるようになるのです。
今回はそんなドルトルコリラを、あえて買いで回してみるという方法をご紹介してみました。