かねてより、レバレッジに関する厳しい規制が発効されると予測されていた、欧州証券市場監督局・ESMAが正式に新規性を発効することとなり、海外FX業者にとってはかなり厳しい内容になっています。
これにより国内の個人投資家にとっても、EU圏で口座を持つ海外FX業者を利用していたのでは、従来からのハイレバレッジとボーナスプログラムを一切利用できなくなるケースもで始めており状況は深刻です。
業者の対応は継続中の状況ですので、現在わかっているものから随時掲載していくようにいたします。
■今回のESMAの規制内容の概要について
今回発効される内容の、重要ポイントは6つになります。
①まず、バイナリーオプション(通称B.O)は欧州圏内において全面禁止となります。
バイナリーオプション業者はキプロスに非常に集中しており、今回の決定で専業業者はほぼ廃業を余儀なくされることになるか他国の市場を開拓することが必要になりそうです。
バイナリーオプションはその仕組み自体には大きな問題はないのですが、あまりにも出金規制があったりしてフランスで顧客を巻き込む騒ぎも起きたことから、今回全面禁止となったわけです。
②商品のボラティリティの大きさに応じて必要マージンを定義するというのが、今回最大の問題となっているレバレッジ規制であり、具体的には次のような規制が7月末から実施されることになります。
上記の表のようにレバレッジは、FXのみならずCFD全般についても規制が買かることとなり、注目のFXの領域ではメジャー通貨ペアが最大30倍、マイナー通貨ペアは最大20倍までのレバレッジ規制が実施されます。
すでに各業者は7月最終週から、この条件に合わせてレバレッジを改定の予定ですが、これまで作ったポジションについてはそのまま利用することとし、新たなポジションのみ新レバレッジで対応する業者が多くなりそうです。
また仮想通貨FXについては、当初最大5倍のレバレッジ案が発効される予定のようでしたが、問題ありということで継続審議となっており最終的には1倍から2倍へと規制強化される見込みのようです。
③ロスカットが発生する必要マージン率の統一というのは、強制ロスカットが実行される証拠金維持率を業界一斉に統一するということで今後は50%の維持率で一律強制ロスカットが履行されることになるようです。
④マイナス残高保護の義務化とは、端的に言うとゼロカットシステムの法制化ですでに多くの海外業者では導入されてきたゼロカットシステムを正式に必須の要件として組み入れることになっています。
⑤インセンティブトレードの禁止(ボーナスやリベート含む)も、顧客にとっては非常に大きな問題で、EU圏の海外FX業者口座では今後ボーナスの支給もキャッシュバックも一切できなくなります。
⑥顧客の損失レベルをリスク報告書に追加は利用投資家にとっては直接関係ない話しですが、個別顧客がどれだけ損失を被ったのかを常に報告書にして提出することが義務付けられています。
こう見てきますと、海外FX業者につきものの最大の魅力であったハイレバレッジとボーナスのプログラムは、もはや一部業者だけのインセンティブになろうとしていることが非常によくわかります。
この規制は、EU圏でライセンスを持ち口座を開設している業者すべてに適用になり、BREXIT適用前のUKの業者、EUの準加盟国であるキプロスの業者にも適用になります。
EU口座に日本人顧客を呼び込んできた業者は、とにかく規制をそのまま実施することになり、それ以外の第三国に口座を開設している業者は日本人顧客を別のアカウントに誘導する動きがはじまっています。
■ESMA規制での各海外FX業者の対応
現状でこのESMA規制をうけて、対応を表明した業者は以下のとおりとなります。
以上のような反応が各社から出始めています。
キプロスの金融庁は、海外利用者でも同様の規制を行うとしていますので、とにかく逃げ場はないようで、XMのようにあらかじめセーシェルに別法人を作っているようなところでは、そちらに口座を移動することでこれまで通りの取引条件が維持されることになります。
Iron FXでも、バヌアツ口座に移行すれば既存のレバレッジは利用できるようですが、今回の規制にあたって日本人投資家にはそのような通知が一切メール配信されておりませんので、個別に問い合わせを行うしかない状況です。
ちなみに今回ESMAが発効した内容は、当座の3か月のみの有効期間となり、さらにその後リバイスされた取引条件が発効になるものとみられます。
これが仮想通貨回りの取引条件改定なのか、FX関連でさらに追加条件がでることになるのかはまったくわかりませんが、10月末に向けて注意が必要になりそうです。
非常に困るのは、ほとんどの業者がホームページ上でこうした対応を一切語っていないことで、口座保持者には一定の連絡が着ているようですが、新規口座開設者には一切最新情報がもたらされていない点が気になるところです。
はからずも今回のESMAの規制発効により海外FX業者の中で、どの会社が日本人投資家に対して好意的で手厚い対応をしてくれるところなのかが明確に露見しはじめています。
日本人投資家を、その他の国の投資家と同じようにOne of themとして扱っている業者は、酷く対応がそっけないものになっているのが現状です。
この規制の発効は、ある意味で業者選択を再度見直すいい機会になるともいえそうで、海外FX業者に求める取引条件が一体何なのかをよく考えなおしてみることが重要になりそうです。
■XMユーザーは7月28日までにESMAへの対策を
ESMAの規制導入に伴って、XMではXMTrading口座への移行を呼び掛けています。
XMは欧州居住者用の口座とセーシェルの口座を設定しており、ここ2年位の取引をしている新顧客はすべてセーシェル口座のほうに誘導されていますが、昔からXMを利用しているユーザーはキプロスの法人のアカウントを取得していることになっています。
しかし今回のESMAの規制によりXMでは、キプロスアカウントは欧州在住者のみを対象としてレバレッジも下げることになりますので、日本人投資家はぜひともXMTradingへの移行を実施することが必要です。
ポジションを持っている場合でもホームページを開けて移行ボタンを押すだけで、すべてのものがそのままセーシェル口座に移動しますので、安全に取引が可能です。
■XM移行の締め切りは7月27日
この移行の締め切りは、2018年7月27日までとなります。
すでに多くの日本人投資家は、昨年12月段階でのXMからの告知で移行済みがほとんどとされていますが、意味が判らずそのまま放置している方もいらっしゃるようです。
この移行締め切りまでに移行ボタンを押しませんと、28日付でXM口座は解約となりオープンポジションは強制決済となって、資金が入金口座に戻されることになりますので絶対放置せずにしっかりと対応することが望まれます。
トレードビューの対応に関して何か情報はありますか?
コメントありがとうございます。
「At Tradeview, our CIMA regulation allows us to continue offering our clients all the advantages of leverage, margin and protection of negative balances under a strong and secure regulation for the retail client.」
とサイトには告知がでています。
ただ、ケイマン諸島のライセンスしかもっていない会社ですからその業務プロセス信頼度はかなり怪しい気がしますが。
500倍のレバ環境で積極的に利用しなくてはならない理由が見当たりません。
LAND FXに関しての情報わかりますでしょうか?
新人さん、コメントありがとうございます。
LANDFXは「英国FCA」ライセンスのため、EU圏内であり、今回の規制は対象になるはずですが、口座を持っている日本人投資家にはいまのところ何も連絡はないようです。
リアルユーザーであればこのタイミングで一度問い合わせるのがよろしいと思います。