海外FXを行なうためには、いずれかの海外FX業者のFX口座を開設する必要があります。
しかし、海外FX業者には「透明性が低い」というデメリットがあり、中には呑み専門で高いレバレッジを提供する「詐欺業者」も存在するので新規口座開設時には注意が必要となります。
また、大手業者=安全という事でもありません。
この記事では、海外FX業者を選択する際の注意点やリスク、信頼できる業者を選ぶコツなどを徹底解説していきます。
■世界のFX業者の存在状況
世界的に見ても日本はもっともFXユーザーと投入証拠金の多い国であり、既に500万件以上の口座が開設されています。
しかし実際のアクティブユーザーは100万人程度で、それでもDMMやGMOなどが世界1位、2位を争う取引量を誇っています。
つまり世界的に見て大手の業者というのは、かなり日本に集まっていることがわかります。
一方米国は日本の2.5倍近い人口がいるにも関わらず、FXに関しては金融当局の監視が異常に厳しく全米でもFX業者は10社あるかないか程度に限定されており、こうした業者はドメスティックなビジネスに特化しています。
また海外業者は、米国からは完全に締め出しを喰っている状況です。
イギリスは金融立国でもともと株もCFDで購入するのが圧倒的に多い国ですから、UK発のFX業者は結構多い状況でしたが、オペレーションコストなどの問題からキプロスやそれ以外の国に移行した企業も多いのが現状です。
金融のタックスヘブンとして有名になったキプロスは、パンヨーロッパの国を相手にしたFX業者が非常に多く、その一部がユーザーの多い日本やアジア圏にも進出している状況です。
ただ、EUの監督機関が欧州圏でのボーナスなどをはじめとするインセンティブプロモーションにかなり厳しい条件をつけはじめていることから、本拠地をキプロスからセーシェルやほかの国に移動する業者も現れ始めています。
アジア圏では日本に次いでFX業者が多のがオーストラリアですが、近年では日本の金融監督部門との申し合わせで日本の顧客をオーストラリアFX業者が一切勧誘、口座開設できなくなったことから日本で見かけることはなくなりました。
代わりに規制の低いニュージーランドに本拠地を置いて日本人を勧誘する業者も増えている状況です。
そのほかBVIやベリーズといった南米に本拠地をもつ不可思議なFX業者も結構登場しており、米国を除く以上のような国の業者が日本人に対応する海外FX業者ということになります。
■大手海外FX業者を紹介
こうした状況の中で海外FXの大手業者とはどのような業者が該当するのでしょうか?
ここでは、日本人トレーダーの知名度や人気が高い「大手海外FX業者」をご紹介していきます。
①XM
XMは、1,2を争うほど日本人FXトレーダーに人気のある海外FX業者であり、キプロスCySEC/英国FCA/セーシェルFSA など多くのライセンスを取得していることも、支持を受けている一因となっています。
足元で日本人の募集や口座開設ができるのはセーシェルに本拠をおく法人のほうで、EUからの規制が厳しくなっていることから日本の個人投資家に対するボーナスなどのインセンティブを維持するためにあえて法人を分けたのがその大きな理由になっているようです。
レバレッジ上限は海外FX業者の中でも高めである「888倍」となっており、約定力もほぼ100%、約定スピードも非常に早く優秀です。
また、何と言ってもXMといえばボーナスの豊富さが有名であり、「取引ボーナス」や「入金ボーナス」など多様なボーナスを獲得可能となっています。
XMはあえてセーシェルにまで拠点を移してこの大きな差別化ポイントであるボーナスプログラムの存在を守ったことになります。
また24時間日本人スタッフによる「日本語サポート」を提供しているので、万が一不明点があったりトラブルが発生したりしても早急に対応することができるので安心です。
多くの海外業者は日本語対応を謳っていますがその稼働時間は非常に短く、実際に利用してみますとXMの日本顧客サポートはかなりしっかりしていることがわかります。
更に、最大2万ユーロの証拠金保証についてはキプロスの金融ライセンスの規制がなくなったことからICFよる信託保全の仕組みが無くなってしまいましたが、AIGとの直接的な保険契約が残されているため実質的信託保全を実現しており、これまで通り2万ドル程度までの補償が確保されています。
②FxPro
FxProは、CySECおよびイギリスFCAより管理監督されたグローバルブローカーとなっています。
XMと同様日本人トレーダーから多くの支持を受けている業者であり、最大2万ユーロの信託保全も行なわれています。
スプレッドが狭く約定力が高い優秀な取引環境を提供しており、「MT4」は勿論最新の取引ツールである「MT5」も利用する事が可能です。
また、スプレッド方式も「変動スプレッド」か「固定スプレッド」の2種類から自分のトレードスタイルに合わせた選択ができます。
他にも、取引資金と一時的に保管しておく資金を分けておくことができる「おさいふ口座」の完備など、トレーダーにとってメリットが非常に多い海外FX業者となっています。
一時日本に法人を設立する動きも見せましたが結果的には海外業者として地位を維持している状況です。
上記の2社は多くの日本人トレーダーが利用している業者であり、知名度も抜群です。
しかし「この2社を利用していれば絶対安全か?」と問われると、必ずしもそうとは言い切れません。
■取引停止のリスク
どんなに大手といわれている業者でも、海外FX業者である限り「取引停止」のリスクは常に隣り合わせです。
もともと日本における金融庁からのライセンスは得ていないオフショアの取引きビジネスですから日本からは撤退のしようはありませんが、オーストラリアの業者のように二国間で日本人相手の取引をしないという協定が結ばれてしまいますといきなり取引停止になることもありうるのです。
ただしセーシェルとキプロスに関しては足元でそうした厳しい状況が示現する状況にはなく、すぐに心配しなくてはならないものでもありません。
日本の国内業者ではなく海外FX業者を利用する多くの日本人トレーダーは、「ハイレバレッジ取引」を行なうことを目的に海外FXの口座を開設します。
しかし、日本のレバレッジ規制が適用された場合レバレッジ上限は「25倍」までとなりますので、「~百倍」といったハイレバレッジの提供は不可能となります。
そのような事にならないように、海外FX業者はあえて日本の金融ライセンスは取得しないことで日本の業者には提供できない取引条件を提示して顧客を集めているというわけえです。
また、国内法では海外の投資会社を利用して投資することを禁止する、金融鎖国のようなことはできない状況であり、金融庁は非常に嫌気していますが、
取引きを止めることはでいないのが実情です。
現状ではこのように国内業者にはないメリットの多い海外FXですが、その分監督官庁の保護も得られないことから、安全性が低いというリスクは常にあるということを分かった上で利用しなくてはいけません。
■オフショア業者の注意点
オフショア業者とは、元々金融業者としてライセンスを取得した国や事業登記を行なった国以外から、オペレーションを行っているFX業者のことを指します。
オフショアFX業者を利用するメリットとしまして、「税制面が優遇されているので、その分充実したサービスの提供が行なわれる」「プライバシーが完全保護される」などがあります。
しかし、オフショア業者を利用する場合注意点もあるのです。
まず、最大のデメリットとして信頼性が低い事が挙げられます。
オフショア業者は、ライセンスを取得している国ではオペレーションを行っていないません。実際にどこで事務所を構えているかは不透明なのです。
そのため、「オフショア業者=詐欺業者が非常に多いという」イメージを持たれている方も少なくありません。
また、本来ならばFX業者が取得する金融ライセンスとは、その法人が金融業を営むための許可であるとともに顧客の資産を守る目的もあります。
ですが、ベリーズなどのオフショア国での金融ライセンスは顧客の資産保護の効力が殆ど無く、最低限そのFX業者が会社法などを守って運営しているという意味しかないのです。
全てのオフショア業者が危険というわけではないですが、利用する場合はある程度のリスクは覚悟しなくてはいけません。
足元ではXMもセーシェルを本拠地にしており、オフショア業者といってしまえばそれまでですが、すべてが如何わしいというわけでもないことは理解しておかなくてはなりません。
米国有数の規模を誇るコンサルティングファームでも本拠地はとんでもないタックスヘブンの島にあるというケースもありますから、なんでも危ないと思うのもまた実情には合わないことになるのです。
■業者選びからリスク管理は始まっている
FXトレードを行なう上で、リスク管理を行うことは非常に重要となります。
また、海外FXを行なう場合業者を選択するところからリスク管理は既に始まっているといえるでしょう。
より良い取引環境を提供している業者を選ぶことは確かに大切ですが、しっかりと信頼性のある業者を選択することも大事です。
信頼性の高い業者を選ぶ基準としまして、「取得の難しい金融ライセンスを所有している」「ライセンスの取得数が多い」「信託保全をしっかりと行なっている」といった事が挙げられます。
ライセンスの中では『英国FCAライセンス』などは取得が難しいとされているため、所有しているか否かで一つの判断ラインになるでしょう。
信託保全は、万が一業者が倒産してしまった場合に顧客の資産を守ってくれる保険ですので、信託保全の有無は重要といえます。
海外FX業者を利用するということはある程度の自己責任は伴いますので、最終的には自分基準で選ぶこととなります。
■大手だからといって信頼しすぎに注意
海外FX業者の中には、知名度が高いから大手と錯覚させられる企業も多く存在します。
しかし、もともとFXビジネスは国内の世界最大級の業者であってもかなり限られた人数で大きな資金扱っているところがほとんどで、い
わゆるグローバルに展開する金融機関などとは別のインターネットビジネスにすぎません。
取引量が多い大手だからといって「絶対に安全」というわけではなく、海外FX業者というのはどの業者でも常に様々なリスクが伴うということを忘れてはいけません。
大事なのはその業者が本当に信頼できる業者か否かを見極めることです。取得しているライセンスや信託保全の有無などを判断材料とすることをおすすめします。
決して「大手だから」という安易な理由で、業者を選択することのないようにするべきですし、国内ですでに利用しているユーザーの評判といったものについてもこまめにチェックすることで、経営状況に変化がないかを常に気にしておく姿勢も必要になります。