もはやFX取引を行なう上で注目される『自動売買』ですが、海外FX業者には自動売買システムを導入しやすいというメリットがあります。
また、国内FX業者よりも海外FX業者の方が選択肢が多く、非常に魅力的な部分を持っていることは事実です。
この記事では、そんな海外FX業者と自動売買について徹底解説していきます。
もくじ
■自動売買について
FXの自動売買とは、その名の通り設定されたルールに従って自動で取引を行なってくれるシステムです。
裁量トレードのように、状況に応じた一時の感情移入に左右されることのない取引を行なう事が可能であり、またトレーダーが寝ている間でも自動売買システムは24時間取引を遂行してくれます。
国内では、業者のサーバー内に内蔵されたストラテジーを選択して、自動売買を行うタイプのシストレと呼ばれるものが非常に流行りました。
しかし、EAをインストールして自己管理するMT4による自動売買は、肝心のEAが投資助言業の資格をもった業者以外有償販売できないと金融庁に釘をさされたため、普及が進まず、多くの店頭FX業者がMT4の利用を断念したことから、MT4利用の自動売買はほとんど普及せずに現在に至っています。
しかし海外の業者では、こうした制限がまったくないことから自動売買の利用は広がっており、それに合わせて国内では手にはいらないようなEAも広範に配布されるようになっているのです。
■コピートレードもできる
自動売買は、自分が設定したルールに則って勝手に取引を行なってくれる大変魅力的なシステムですが、それ以外にも大きなメリットがあります。
それは、自動売買は「コピートレード」も可能という点です。
自動売買は取引システムを取引ツールにセットすることで開始されますが、過去に実績のある有名トレーダーの取引システムなども、コピーして全く同じ要領で取引を行なうこともできます。
海外ではシストレといえばEAを走らせるだけではなく、利益を上げるトレーダーの売買をそのままコピーして応分の利益を支払うといったものもかなり普及しており、むじろこれがシストレの常道になっていきています。
しかし国内ではこうしたコピートレードも、投資助言業資格者だけにしか許されていないことから、コピートレードはまったく普及していません。
また、過去の実績データなども見ることができるので、海外FX初心者でもじっくり吟味した上で利用するか決めることが可能なのです。
■自動売買に必要なもの
自動売買を行なうためには、以下のようなものを用意する必要があります。
①VPS
VPSとは「バーチャル・プライベート・サーバー(Virtual Private Server)」の略であり、日本語に訳すと「仮想専用サーバー」となります。
VSPを導入することにより、
「PCの電源を切っても24時間自動売買を行なう事ができる」
「サーバーが安定する」
「外出先からの稼働状況の確認や再起動等が可能となる」
といったメリットが生まれます。
また、メモリの容量数が大きければ、それだけ多くの自動売買システムを稼動できるので、ある程度の容量数と取引量を計算して契約することをおすすめします。
②MT4
MT4とは、ロシアのMetaQuotes社(メタクォーツ)が開発したFX取引用の取引ツールであり、日本は勿論世界中のトレーダーが利用しています。
超高性能であり、カスタマイズ性も高く、尚且つ無料で提供されているという大きなメリットもあります。
MT4では、リアルタイムチャートの表示や各種標準のテクニカル分析が行なえますが、何よりも自動売買が可能という点が多くのトレーダーに支持されている理由です。
しかし、日本国内ではむしろ裁量取引で利用されている方が多く、自動売買を行なうためには「敷居が高い」と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。
なぜなら、MT4で自動売買を行なうためには「プログラミングの知識が必要」と考えられているからです。
ですが、実際はプログラミングができない方でも、MT4を活用すれば自動売買や独自のテクニカル指標の適応を行うことは十分可能となっています。
それほどMT4とは優秀な取引ツールなのです。
③EA
EAとは、「エキスパートアドバイザー」の略であり、FX取引の手助けをしてくれる取引ツール全般を指します。
EAには非常に優秀なものがあればそうでないものもあり、何より全てのEAが無料というわけではなく、中には有料のものもあるので購入の際にはしっかりと内容を知り、納得した上で検討しなくてはいけません。
VSPとMT4を準備し、使うEAが決定すれば、あとはEAをMT4にセットするだけで自動売買は開始する事が可能となります。
■MT4が利用できる海外FX業者
多くの国内FX業者は、自社独自のプラットフォームを提供しています。
そのため、国内FXの口座を開設している方は「それが当たり前」と思っているかもしれません。
しかしそれは間違いであり、ほとんどがDD方式を採用している国内業者だからこそ独自のプラットフォームを提供しているのであって、NDD方式を採用している海外FX業者の場合は、ほとんどがコストの安いMT4を提供しているのです。
ハイスペックな取引ツールであるMT4が利用できるということは、それだけでも海外FX業者には大きなメリットがあると言えます。
MT4の豊富なEA
MT4にセットアップできるEAは非常に多く、それこそ『スキャルピング』『スイングトレード』『ナンピン・マーチンゲール』などといった、各種取引方法を用いたEAが豊富に取り揃えられています。
また、最近では無料で利用できるものから有料で購入するものまで多くのEAをまとめて紹介しているサイトもあり、選択肢が沢山あるのはMT4の嬉しいメリットと言えるでしょう。
しかし、選択肢が豊富だからといって全てのEAが使えるEAというわけではなく、むしろ全く使えないEAの方が多いので、特に有料のEAを利用する際には注意しなくてはいけません。
EAはフォワードテストを参考に選ぼう
EAを選択する際に参考となるのが過去検証データ(バックデータ)ですが、実は改ざんすることも不可能ではなく、「既にあるデータに合わせてEAを最適化しているだけ」といったケースも考えられます。
そこでおすすめなのが、改ざんする事が不可能な「フォワードテスト」を参考にし、EAを選択することです。
各大手EA販売サイトでは、EAのフォワードテストを開示しています。
ですので、信憑性のイマイチな過去検証データは参考程度にとどめておき、最終的にはフォワードテストの内容を主な判断材料にすることを推奨します。
海外FX業者提供の自動売買システム例
海外FX業者は、様々な自動売買システムをFXトレーダーに提供しています。
例えば、有名なのがFxProのSuperTraderです。
MT4のEAは世界中誰でも作成でき、量が豊富というメリットがありますが、その分いいEAも悪いEAも存在し、素人目には選択が難しいというデメリットもあります。
そんなMT4とは異なり、SuperTraderでは既に厳選な審査を通過しているストラテジーしか用意されていないため、自動売買初心者でも選択が容易というメリットがあります。
また、多くのストラテジーは毎回手数料を取られるわけではなく、発生した利益の中から数%報酬を渡すシステムとなっているので「手数料だけ無駄に取られる」といったケースがほとんどないのです。
しかし、一見メリット一辺倒に見えるSuperTraderですが、「円口座非対応」「最低でも2,000ドルの資金が必要であり、若干敷居が高め」といったデメリットも存在します。
海外FX業者が提供している自動売買のシステムは優秀なものが多いですが、メリット・デメリットがあるためしっかりと内容を把握した上で利用する事が大事です。
■自動売買ソフト関連トラブル
自動売買ソフトは無料のもの、有料のものがありますが、自動売買ソフトに関連するトラブルは多く、露骨な「詐欺行為」が報告されていることもしばしばあります。
例えば、宣伝文句とソフトの内容が明らかに違うものを販売している行為は中でも代表的であり、極端な例で言いますと「10年間負けなかった取引システム!」と称したものを購入して、「何ヶ月も負け越している」などといったケースです。
自動売買ソフトは、怪しい宣伝文句が盛りだくさんなので全てを鵜呑みにすることは非常に危険です。
特に、「負けない」「儲ける」「ノーリスク」などのフレーズを用いた、甘い広告などに騙されないようにしましょう。
また、「口座からの出金を拒否される」というトラブルも、多発しているトラブルの内の一つです。
自動売買ソフトは、「購入後海外の口座に入金して取引を始める」といったケースが多いですが、「せっかく利益が出たのに、取引口座から出金できない」などといった出金トラブルが起こる可能性も否定できません。
「自動売買」という市場に乗じて、詐欺まがいの考えを起こす人は多いです。
そのため、そのような詐欺行為に巻き込まれないよう自動売買ソフトを利用、購入する際にはソフトの内容の確認は勿論、実際に利用した方のクチコミ等の情報を調べることが詐欺防止に繋がります。
自動売買はFX取引を行なうにあたり、非常に優秀なシステムです。
その反面、あらゆるリスクがあることを想定した上で利用するようにしましょう。
■ハイレバレッジで自動売買をするときのリスクを十分に理解すること
こうした自動売買のメリットをみますと、ぜひやってみたくなる方も多いことと思いますが、自動売買にはそれなりのリスクが伴うことをあらかじめ理解しておくことが重要です。
まず第三者が作成してロジックソフトですから、一応事前段階でトレンド相場に強いとかレンジ相場で能力を発揮するといった気温的な戦略設定は理解できますが、相場の急変といった事態には必ず見もうまく対応できないソフトが多く、相当数のEAがドローダウンと呼ばれる含み損を過度にかかえた状況で自動売買を稼働させている点が非常にきになるところです。
これは25倍の最大レバレッジの国内業者における自動売買でもかなりのリスクとなって示現している問題ですから、少ない証拠金で稼働できる海外のハイレバレッジの取引口座で稼働させた場合、より一層証拠金が枯渇するリスクに直面することはよく理解しておかなくてはなりません。
海外業者で利用して成功するためには、稼働に必要な証拠金額をしっかり事前認識し、過度なポジションをとらないような設定ができるEAだけを利用することが極めて重要になります。
ハイレバレッジ口座は、儲かったときのことしかイメージできない個人投資家が多いものですが、自動売買で雪だるま式に損失が積み上がりますと、あっという間に証拠金すべてを失うことになりかねませんから、国内での利用以上にリスクが相当高いことをしっかり頭にいれて利用することが肝要です。