海外FX業者は、国内FX業者では行なっていないサービスを多数行っていますが、資産運用を委託する『PAMM』もそのうちの一つとなります。
様々なメリットをもたらしてくれるPAMMですが、国内FXを利用している方や、海外FXを始めたばかりという方はPAMMがどのようなサービスなのかを知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事ではPAMMのサービス内容やメリット、注意点などの情報を徹底解説していきます。
もくじ
・PAMM口座について
PAMM口座とはマネージドアカウントであり、簡単に言いますと「投資家の資産を、プロのトレーダーやファンドマネージャーが変わりに運用してくれるシステム」です。
PAMM口座を利用する場合、投資家自ら資産の運用を行なってくれるプロのトレーダーやファンドマネージャーを見つける必要がありますが、委託後は取引の結果を待つだけですので非常に効率的な資産運用方法といえるでしょう。
また、PAMM口座には「ノウハウ流出リスクの回避」というメリットもありますので、優秀なFXトレーダーやファンドマネージャーに運用を委託しやすくなっています。
資産の運用を委託する場合、取引履歴からプロのトレーダーやファンドマネージャーの取引ノウハウが流出してしまう可能性が出てきてしまいます。
ノウハウを知った投資家の中には、その取引システムを真似る方もいらっしゃるでしょう。
そして、実際に利益が出たら投資家は運用者との契約を打ち切るはずです。ノウハウの流出は運用側からすればデメリットでしかないので毛嫌いするのは当然といえるでしょう。
しかし、PAMM口座の場合、最終的に投資家が知るのは資産が運用された結果だけとなりますので、運用手法は分からなくなっています。
そのため、人気や実力のあるプロのトレーダーやファンドマネージャーはPAMM口座を好む傾向にあるのです。
・国内業者では禁止されている
日本の国内業者ではPAMMを行うことは「金融商品取引法違反」に該当してしまいます。
ですので、国内FX業者を介してのPAMMは現状不可能です。
PAMMの利用を検討している場合は、海外FXブローカーの口座を開設するようにしましょう。
・PAMMのメリット
PAMMには多くのメリットがあるのでご紹介していきます。
①運用実績のある人に任せられる
前述したとおり、PAMMは「ノウハウの流出」を避けることができるので、運用実績のあるトレーダーやファンドマネージャーに資産を委託できる可能性が上がります。
PAMMでは、いかに優秀な運用者を見つけるかが資産を増やすポイントとなりますので、その点ではノウハウの流出が避けられることは大きなメリットと言えるでしょう。
②資金を持ち逃げされない
昨今、FXに関わる多くの投資詐欺や詐欺業者が横行していますが、その中でも「投資資金の持ち逃げ」という詐欺事件は非常によく耳にします。
PAMMを初めて利用する方は「資金の持ち逃げ」を危惧するかもしれませんが、PAMMの場合、運用資金は投資家にだけ入出金の権限があるので運用者に資金を持ち逃げされる可能性は無いのです。
そのため、安心して資産の運用を任せることができます。
③手数料が安め
PAMMを利用した場合の取引手数料相場は20%程度となっており、運用者の実績や人気で多少なり上下しますが、この手数料額はかなり安めといえます。
PAMMは投資家と運用者の間に仲介者が存在せず、余計なマージンがかからないため手数料が抑えられるのです。
また、手数料はPAMM口座を提供している海外FX業者が報酬の中から差し引いてくれるので、難しい計算も必要ありません。
④運用状況がわかる
大事な資産の運用状況は気になるものです。
PAMMならば、資産の運用状況はいつでもリアルタイムで把握する事が可能となっています。
・PAMMの注意点
PAMMはメリットばかりが目立ちますが、多少なりとも注意点もあるのでご紹介していきます。
①負けることもある
これは投資である以上当然なことなのですが、PAMMは絶対に勝てるわけではありません。
資産が減る可能性も勿論あるので、リスクを考慮して資産の運用を委託しましょう。
②いつでも出金できない
PAMM口座に預けている投資資金は、いつでも出金できるわけではありません。
各投資家の口座は運用者のマスター口座とリンクしているため、運用者がポジションを保有している間は出金することは不可能となっています。
PAMM口座は中々出金のタイミングが難しいというデメリットがありますので、預けておく投資資金も出金できなくても困らない程度に調整することをおすすめします。
・コピートレードではない
コピートレードとは投資家のPCに設置したMT4と、プロのトレーダーのMT4を繋ぎ、同様の取引を行なっていき利益を上げていく取引方法です。
一見すると、マスター口座を利用するPAMMと同様のシステムなように感じますが、実際は全く異なるので注意が必要です。
1対1で取引を行なうコピートレードに対し、PAMMの場合は指定された口座に投資資金を入金すると自分以外の投資家の資金と合算されるので、投資家の数に比例して運用資金はどんどん大きくなっていきます。
そして、集まった巨額な投資資金を運用者(プロのトレーダーやファンドマネージャー)が運用していくこととなります。
投資とは、資金が多ければ多いほど有利ですので、資金力という観点でコピートレードとPAMMは大きくかけ離れているのです。
・PAMMの利用法
PAMMを利用する場合、自分の資産運用を引き受けてくれる運用者(プロのトレーダーやファンドマネージャー)を探すところから始まります。
運用者を探す場合、まずはウェブで情報を検索してみましょう。PAMMに関する情報は多くあるので、少しずつ情報を精査していきます。
また、FX会社によってはPAMMを利用した資産運用プログラムを用意している場合もあります。
このプログラムを利用すると、FX会社が既に資産の運用者を用意しているため投資家は資金を入金するだけでPAMMをスタートできるのです。
全ての業者がPAMMのプログラムを用意しているわけではないですが、「運用者を探すのが面倒」という投資家にとっては非常に手間が省けるプログラムとなっています。
逆に、「信頼できる運用者を自分で探したい」という方は自ら情報を検索し、納得のいく運用者を探したほうが良いでしょう。
運用者が決まったら、次に手数料を決めていきます。
運用手数料はある程度相場が決まっており大体20%前後となっていますが、相場はあくまで目安ですので、運用者の力量や運用成績次第では手数料が上がることもあります。
過去の実績等を加味して手数料は決定すると良いでしょう。
最後に、成功報酬の支払いのタイミングを決定します。
基本的に、成功報酬の支払いは月締めよりも長い期間の方が投資家に有利とされていますが、今後も資産の運用を委託していくならば、運用者の希望を考慮することも重要です。
手数料の金額も報酬を支払うタイミングも、今後資産を任せていく上で大事なポイントとなりますので、お互いの希望をしっかりと話し合い決定していきましょう。
・FXで苦戦している方にはPAMMがおすすめ
FX取引を始めるときは、誰だって大きな利益を収める自分をイメージしてスタートするものです。
しかし、実際にFXで継続して利益を出すことは非常に難しく、安定して利益を出しているトレーダーよりも苦戦しているトレーダーのほうが多いというのが現実でしょう。
そのような方は、思い切ってPAMM口座を利用し、資産の運用を他のプロのトレーダーやファンドマネージャーに任せてみてはいかがでしょうか?
実力のある運用者に資産の運用を委託できれば、何もせずとも高確率で資産を増やしていってくれるでしょう。