今回は、国内FXと海外FXの取引通貨単位の違いについてご説明します。
海外のFX業界では、1ロット(=1枚)という言葉をよく使いますが、海外FX口座ではこのロットの量が国内FXと異なります。
もくじ
■国内FX業者では1枚(1ロット)=1万通貨単位
国内FX業者では1枚(1ロット)=1万通貨単位で表記されます。(MT4は除く)
ドル円は1円、つまり100pips動きますと1万通貨(10,000ドル=約100万円)のトレードで1万円の利益になります。
ですから10枚(10万通貨=10万ドル=1000万円)のトレードで1円動けば、100pipsの利益=10万円の利益。
100枚(約1億円)のトレードで100pipsの利益=100万円の利益となります。
もともと国内でも1万通貨が基本で、1000通貨は特別な取引き手数料をとって売買する単位とされてきました。
しかし個人投資家のエントリーユーザーは当初の入金投資額が5万円や10万円といった少額が圧倒的多数となっていることから、顧客が取引しやすいように国内業者のほとんどが1000通貨単位での売買を設定するようになっているのです。
最近のドル円の価格であれば「4200円前後の証拠金で1000通貨」、「42500円前後の証拠金で1万通貨」の取引ができるようになっていますので、圧倒的に1000通貨のほうが取引しやすい状況にあり、もはや国内での1枚と言えば、1000通貨になりつつあります。
■海外FX業者では1枚(1ロット)=10万通貨単位
海外FX業者では1ロット=10万通貨単位で表記されます。
仮にドル円が1ドル100円の時に、0.1ロット(1万通貨=10000ドル=100万円)購入したとします。
売却時に1ドル101円になっていた場合、1万円の利益となります。
これは海外FX業者で主流の取引システムであるMetaTraderの仕様で、MT4の標準ロットが1ロット10万通貨単位になっていたため、海外FXでは1ロット10万通貨単位の表記が普及したと考えられています。
海外FX業者やMT4で初めてトレードするFXトレーダーは、国内FX業者の感覚で1枚(1万通貨)のつもりが、海外FXで1枚(10万通貨)発注して、間違って10倍の量を発注しないよう注意して下さい。
国内の業者を通じてMT4にかなり慣れている方や、XMのマイクロ口座などで海外業者での取引に慣れている方でも、いきなり10万通貨ポジションをもって瞬く間に証拠金を溶かしてしまうケースはよく聞く話です。
これは業者のせいではなく、あくまで個人投資家のミスになりますので十分な注意が必要になるものです。
海外FX業者でドル円の場合
0.01ロットで100pips=1000円の利益
0.1ロットで100pipsの利益=1万円の利益
1ロットで100pipsの利益=10万円の利益
10ロットで100pipsの利益=100万円の利益となります。
口座通貨が円口座でも米ドル口座でも、1pipsあたりの利益は変わりません。
■海外FX業者はハイレバレッジ
海外FX業者では国内FX業者に比べ、高いレバレッジを利用することが可能です。
証拠金はレバレッジによって大きく変化することになります。
上記の表をご覧いただいてもおわかりのとおり、国内の25倍のレバレッジを利用していたのとでは比べ物にならないぐらい少ない金額で大きな取引きができることがご理解いただけると思います。
・最小取引通貨量は1000通貨
海外FX業者の場合、最小通貨単位は1000通貨になります。
MT4の数量に換算すると0.01ロット(1000通貨)が最小通貨単位になります。
(※1ロット10万通貨⇒0.1ロット1万通貨⇒0.01ロット1000通貨)
FX業者の口座タイプによって仕様が若干異なりますが、ほとんどの場合は0.01lotが最小通貨単位です。
ちなみにXMのマイクロ口座では、MT4は1ロット1000通貨単位に最初から設定され、最少10通貨単位で取引可能です。
・少額から取引可能だが利益と損失は同じ
上述の表のように少額から大きな取引きができるのがハイレバレッジの最大の魅力ですが、1000通貨にしても1万通貨にしてもそこから得られる利益と損失はレバレッジとは関係ありません。
したがって含み損がではじめると想像以上に早く証拠金を減らしてしまう可能性が高まりますので、自分の証拠金で果たしていくらまでポジションを持つことが適正なのかを見極める必要があります。
・ハイレバレッジ活用が鍵
海外FXではハイレバレッジが利用出来ますが、ハイレバレッジ取引は大きく儲けるチャンスにもなりますが、失敗すればすぐに証拠金を溶かしてしまう諸刃の剣です。
大きいドローダウンになる可能性がある場所でのエントリーは出来るだけ避け、ストップをタイトに設定し10pipでもいいので手堅くエントリー出来る場所を探すのがいいのではないでしょうか。
海外FXを利用する注意点としては、ハイレバレッジで取引する際は証拠金維持率に注意しましょう。
■ハイレバレッジ取引の失敗者は適正保有ポジション量がわかっていない
ハイレバレッジ取引で失敗するひとのほとんどは、証拠金が安いからといって本来持つべきではないようなボリュームのポジションをつくってしまい、しかもそれに損失がでたときに自ら損切のできない人ということになります。
レバレッジはどうであれ、投入証拠金額の5%から最大10%を超える含み損が出た場合にはとにかく一旦ポジションを損切して証拠金を極力守るということができなければFXの世界で生き残ることはできません。
1つのポジションを持った場合、損切しないで1日放置していたら一体いくら損失がでるのかについてかなり事前によく理解しておかなくてはなりません。
10万通貨のドル円で、1円相場が想定していた方向と違う方向に動いてしまった場合には10万円損失が出る勘定ですから、1000倍のレバレッジで1万円強の証拠金でポジションが作れるからといって、総額が2万円程度の証拠金で勝負すれば相場が20銭動いただけで証拠金がすべて吹っ飛ぶことをしっかり認識しなくてはなりません。