もくじ
海外FX口座からの出金手数料
FX口座開設の際、気をつけなければならないことはたくさんあります。
レバレッジ率、スプレッドの狭さ、約定スピード、FX自動売買トレードなどの取引システム、信託保全をしているかどうか、日本語口座開設サポートや入金ボーナスキャンペーンなど挙げればキリがありません。
ところで、FXトレードで儲けたら、必ず取引口座から出金しなければなりません。
もし出金しなかったらFX投資をする意味ではないですし、この入金してから取引して出金というフローはそれ単体のみでなく、取引方法にダイレクトに関わってきます。
そして取引手数料だけでなく、出金するのにも通常は無料ではなく手数料が発生します
・海外FX業者の手数料は無料が多い
国内FX業者とは反して、海外FXブローカーの場合はその出金手数料がないことが多いのです。
この点でも、国内FX業者と比較してコスト面でもお得な点といえるでしょう。
・受け取る側で手数料が発生することがある
しかし出金という行為を細分化すると、国際オンライン口座であるFX会社のFX口座からお金を出して、なんらかの機関で受け取るという作業になります。
このなんらかの機関はATMや日本の銀行や、ネット送金会社に当たるのですが、そこの部分で手数料が発生する確率は高まってきます。
■クレジットカードでの出金は手数料なし
クレジットカードの利用で注意したい点は、海外FX口座振込やFXプリペイドカードとしてMasterCardが使えなくなってしまった点です。
カード会社側で決めてしまったことなので、どのFX会社でも同じです。
例えばプリペイドカードとして顧客から人気であったXMカードも、MasterCardであったため使用できなくなってしまいました。
ですのでクレジットカードを作成する場合は、Visaカードをお勧めします。
さて、クレジットカードはクレジットカード入金はもちろん決済方法として出金も可能です
クレジットカード出金と聞くと不思議な感じがしますが海外FXでは普通に行われていることです。
しかしそれにはちょっとしたトリックがあります。
・ションピング枠のキャンセル扱い
クレジットカードから入金した合計額と同様の額まで出金する場合、出金はクレジットカードに返金という形でなされます。
・入金額と同額までしかできない
しかしそのような出金方法からクレジットカードではカード入金額と同額までの出金しかできません。
・手数料なし
あくまで出金という形で現金が手に入るわけではなくキャンセル処理扱いなので手数料はかかりません。
・出金にかかる時間
同様にカードの決済締切日でもってカードの支払いやキャンセル処理もカード会社の名義で実行されるため、カードの引き落とし日にならないと出金が実行されないことになります。
ここも注意しましょう。
■電子決済サービスでの出金手数料
電子決済会社は日本国内業社で言えば、楽天EdyやSuicaやau WALLETと類似のサービスということができます。
ロンドン証券市場上場会社であるPaysafe(ペイセーフ)が運営するネッテラーやSkrillなどは、以前ならば国際決済サービスとして利用者に絶大な人気を誇るサービスで、海外FXを始めると同時にネッテラー口座を持つことはFXトレーダーにとって常識ともなっていたのです。
しかし最近の日本撤退などの事件により、以前と比べて非常に使いづらくなってしまった電子決済サービスなのです。
これらが詐欺業者というわけではなかったのですが、日本の金融庁の国内FX会社、国内FXブローカーをなるべく使って欲しいという思惑からこのような傾向になっていると言われています。
代価手段として注目を集めている企業は、EcoPays(エコペイズ)とOKPAY(オーケーペイ)です。
さらにまだまだ未来の話になりそうですが、ビットコインなどの電子マネー口座を使った電子送金も有力な候補として存在しています。
今後も日本国内金融庁の意向によってますます規制されていくことは免れませんが、まだ出入金方法として使えないことはありません。
・電子決済サービス側の受取手数料
銀行と同じように電子決済サービスでも受取の際にそれぞれの業者ごとに手数料がかかります。
・ATMでの出金手数料
電子決済サービスのプリペイドカードやデビットカードを使えばATMでも出金可能ですが、その際でもATMの引き出し手数料がかかります。
・出金にかかる時間
各サービスによって異なりますが、電子サービスなのでほかの出金方法と比較して口座への反映は早いようです。
■日本国内銀行への送金手数料
一番伝統的な方法としてあるのは国内銀行口座による国内銀行送金ですが、銀行振込であるという性質上、手数料や口座への反映時間の面で不安視する声も多く聞きます。
海外FXでもクイック入金などの制度を導入しているところも多く、便利なのですが、出金は実際のところどうなのでしょうか
・海外銀行送金扱い
当然海外FX業者から見て日本の銀行は海外銀行となるので、銀行出金の場合海外銀行送金扱いとなります。
海外送金には次のような銀行間の送金プロセスが発生します。
FXで売買をしているわけですから、本来はもっと簡単にその利益を受け取る方法があってしかるべきなのですが、海外から日本国内に資金や利益を戻すためには上記のような銀行間の送金のお世話にならなくてはならないのです。
海外FX業者が送金手数料負担をしてくれる場合には海外から送り出す銀行の手数料は確かに負担してくれますが、それを受け取るために経由する中継銀行(コルレス銀行)の手数料と国内の受け取り銀行手数料はあくまで個人負担となってしまうのでです。
このうち中継銀行手数料は比較的標準化されていますので、どの銀行を経由してもそれほど大きな金額差はありませんが、国内の受け取り銀行は外為に精通しているかしていないかにより、かなりその着金手数料が異なるものとなっているので、どの銀行を選択するかで大きくコストが変わる点には注意が必要です。
日頃国内で取引しているからといって、安易な発想で取引をしてしまいますと大変な失敗となることもあるのです。
・中継銀行手数料
国際送金ではどこかの銀行を必ず経由するため、その段階で手数料が発生しそれを中継銀行手数料と呼びます。
国内送金では各銀行が日本銀行(中央銀行)に当座預金口座を持っているため、その銀行と日銀同士で資金振替をして銀行間送金を行います。
これが海外になった場合、中央銀行が各国によって異なってくるため、当然送金のためのステップが多くなってくることになり中継手数料がかかります。
国内における銀行間の送金は振り込みの指図だけを電信で行い、顧客に指定金額の受け払いを行っており、銀行間の貸し借りについては日銀の当座預金口座間で資金を振り返すことで清算をしています。したがって現金を動かす作業は一切していないわけです。
しかし外国為替による海外送金の場合には日銀の役割を果たしてくれるところが存在しませんので、各銀行間で個別に契約を結び清算方法を取り決めています。
これがコルレス契約と呼ばれるものでこの契約に基づいて取引きをしている銀行がコルレス銀行と呼ばれているのです。
そのためこうした中央銀行を経由することが必須の状況となっているのです。
・受取銀行手数料
海外から日本国内銀行への送金を被仕向送金と呼ぶのですが、その際の受取銀行手数料を被仕向送金手数料と言います。
受け取り時に自動的に差し引かれているため、気づかないことが多いのですが、例えば新生銀行、ソニー銀行などはここを無料にしているの受け取りコストがかなり安くなります。
・為替手数料
これはどの通貨を保有しているかどうかによって変わってきます。
海外業者において円建てで資金を持っていてそれを出金する場合は問題ないのですが、たとえばドル建てやユーロ建てなどをしていてそれを出金する場合、そこで為替手数料もかかってきます。
海外FX業者によってはドル建てやユーロ建ての口座しか認めていないところがありますが、円で送金するときにも余分な為替手数料コストがかかりますし、返金の時にも同様のコストがかかってしまうという点はよく理解しておく必要があるのです。
・手数料の合計例
ここまでを整理すると出金時に手数料がかかるかかる可能性があるのは以下の4つになります。
1.海外FX企業側の出金手数料
2.中継銀行手数料
3.受取銀行手数料
4.為替手数料
ここで1.海外FX企業側の出金手数料の場合は多くの場合無料なので大抵は無視して構いません。
円建てでない場合は
中継銀行手数料+3.受取銀行手数料+4.為替手数料
となり
円建ての場合は
中継銀行手数料+3.受取銀行手数料
となります。
さらに受け取りてが新生銀行のような受取手数料無料の場合は、中継銀行手数料のみとなります。
このように国内口座と比べて、手順が少し煩雑になっていることが見て取れます。
・出金にかかる時間
海外送金の場合、業者が海外から送金依頼をして国内に着金するまではほぼ土日を除いて最大4営業日程度の時間がかかっています。
但し実際にはもっと早く出金されることが多く2日から3日程度が多いようです。
※XMを利用した場合の出金事例
具体的に国内での利用者の多いXMを利用した出金事例をご紹介しますと、一回2万円を超える金額での送金依頼であれば月に何回送金しても送金側の費用はすべてXMが負担してくれます。
受け取りができる銀行はSWIFTコードをもった銀行ということになりますので、国内のネット専業銀行(セブン銀行や楽天銀行)では受け取りはできません。
また新生銀行やみずほ銀行のインターネット口座、ゆうちょ銀行は海外FX業者からの資金の受け取りを拒否していることから利用ができない状況となっています。
したがって国内ではもっとも取引コストの安いソニー銀行を利用して受け取るようにします。
この銀行は円建てであれば着金手数料を取りませんので中継銀行の手数料のみ支払えば国内で資金を受け取ることができます。
だいたいそのコストは2500円程度となっています。
同行の中継銀行は三菱UFJ銀行ですから着金手数料をとる三菱UFJで受け取るよりも安くなっている状況です。
これが地方銀行などを利用しますと着金の受け取り手数料が非常に高く設定されていることもあることから、どの銀行を利用するのかはきわめて重要な選択となります。
海外送金による出金無料の業者はXMとAxiory
海外FX業者で海外送金による出金が完全に無料な業者というのは意外に少なくなります。
主要な業者の中で、無料を打ち出しているのはXMとAxioryの2社です。
XMの場合、金額の条件つきで2万円を超えれば回数に制限なく海外送金の手数料を支払ってくれる会社となっています。
Axioryは銀行送金に関して金額によらず一切の手数料をとらない会社となっていますので、海外送金を利用するのであればもっとも便利な会社の一つと言えます。
全体的に海外送金の出金手数料を負担してくれる会社はかなり限定的です。
現状ではMybitwalletなどの普及が進んでいることから、こちらを無料にしているところが多く、海外送金に積極的なところが減っている可能性もある状況といえます。
銀行ごとの手数料の違いについて
実際に銀行ごとに、どの位取引手数料が違うのかを比較したのが以下の表になります。
こちらはあくまで円建てで送金してもらい、それをそのまま自らの口座に入金することが前提となりますので、ドル建てやユーロ建ての口座の場合には為替手数料が別途かかることになります。
まず着金手数料をとらない新生銀行とソニー銀行がコスト的にはもっとも安いものとなり、次いで楽天銀行となりますが、楽天は法人口座の開設が必要ですから、個人では利用が不可能です。
それ以外のメガバンクは横並びの状況で中継銀行のコストが3000円を超えた場合には一回あたり6000円近くとられることになります。
ここに載せていない地銀などは取引手数料がもっとかかることになりますので、少なくとも送金の受け取りには使わないほうがいいのがお勧めとなります。
ただ、銀行自体のポリシーとして、海外FX業者からの送金を受け付けないところがあります。
たとえば新生銀行は理由は不明ですが、XMからの送金は受け付けません。
またみずほ銀行も受け付けないようですので、最初から利用しないことを考える必要がありそうです。
まとめ
あと一つ注意しておきたいこととして、海外FXでは入金方法と出金方法が同一でなくてはいけないというルールがあります。
マネー・ローンダリングを防止することや、入金方法と出金方法の名義の整合性、キャッシュアドバンスの防止が主な理由です。
もちろんFXで得た利益分に関しては異なる方法でも出金できます。
このように出金、入金などのことは基本的なことにもかかわらず以外とシステムが煩雑なことがわかります。
少しでも損をしたくないのなら、FX取引それ自体だけでなくしっかりとどのような出金方法をとるか、FXトレーダーとして自分なりに手法を確立しておきましょう。
出金手数料を無料にしているXMとAxioryの利用をまずは検討してみてるのがいいかと思います。