もくじ
■海外FX業者の日本撤退
海外FX業者は金融庁無登録
実は海外FX業者のほとんどは国内金融庁無登録なのです。
もちろん海外FXなので、日本の金融庁登録なしで日本市場で金融活動するのは全然OKなのです。
国外の金融監督庁に登録している場合が大多数だからです。
それだからむしろ海外FXを使う意味が出てくるのです。
さて、金融ライセンスというものをご存知でしょうか?
海外FX業者が金融ライセンスを取得しているかどうかというのは非常に大事な指標になってくるでしょう。
それによって信用度が全然異なってきて、リスクも違ってきます。
これは簡単に言えば、各国の金融機関に登録しているかどうかを示すものです。
金融庁に無登録ならば金融ライセンスはもてません。認可されていないという事はそれだけ危険、と捉えてもらって大丈夫です。
国によって基準は違ってくるので、それがタックスヘイブンで取られたライセンスかどうかも注意して比較してみる必要があるでしょう。
日本で登録するとレバレッジ制限がかかる
しかしなぜほとんどの海外FX業者は金融庁無登録なのでしょうか?
多くの理由は、FXを進めていく上で非常に重要な「レバレッジ」という概念に関係します。
FX取引ではFXブローカー会社に自分のお金を証拠金としてFX口座に預け入れることができるのですが、その証拠金の何倍かの資金で取引をすることができます。
これをレバレッジと言います。
このレバレッジが日本国内のFX業者だとせいぜい25倍程度で規制がかかってしまうのですが、海外FXだと先ほど述べた400倍くらいが相場で、中にはレバレッジ1000倍!などの国内業者が真似できないようなハイレバレッジを提供する業者もあるほどです。
前の例を使えばもし10万円の証拠金の場合なんと1億の取引ができることを指します。
このような取引方法をすれば、FXトレーダーには大きなチャンスに繋がることになります。
しかし日本の基準ならばその魅力的なレバレッジを効かせることが難しくなります。
この方法を使えば、海外FX企業が日本の国内金融庁に登録できない理由はそのようなところにあるのです。
たいていの撤退理由は金融庁からの圧力
もちろん本当に悪質なFX詐欺業者もあるので、金融庁の圧力が高いことは感謝すべき点の一つではあるのですが、上に述べたレバレッジ規制などの理由から、おおくの海外FX業者は国内の金融庁無登録となっているので、日本の金融庁の圧力を受けやすいのです。
そしてその結果日本から撤退してしまう海外FX企業も少なくありません。
■日本撤退した海外FX企業の例
例えば最近ではアメリカの企業のネッテラー(NETELLER)が日本市場から撤退するかどうかについて、盛んに議論されてきましたが、ギャンブルを目的とするトレードが禁止されたのみで、口座開設や、金融サービス自体は続けているみたいです。
しかし本当にやめてしまった会社もあります。
FXDD&FXCM
スイスフランショックを受けて、以前は業界最大手とも言われたFXDDが突然追証制度を導入しました。
FXDDはその後もマルタ当局からの罰金や、NFAからの賠償金および罰金も乗り切りましたが2014年にはFXCMに買収されてしまいました。
さらに2015年にFXCMは日本法人を楽天証券に売却することを発表しました。
このように海外FX業者は移り変わりが激しいのです。
そして正式に日本から撤退してしまった企業もあります。
ThinkForex
ThinkForexはもともとニュージーランドの企業でそのあとにオーストラリアに移った会社です。
そしてそのあと日本でサービスを開始しました。
スプレッドの狭さ、取引手数料の低さで日本の投資家からとても人気のあった証券会社です。
撤退の際には顧客に対して1ヶ月の猶予が与えられ資金は全額返金されました。
今はイギリスのFCA(イギリス金融行動監査機構)の免許の下で主に運営をしています。
FCAといえば非常に安全性が高く評価基準が厳しいライセンスとして有名です。
それだけにここのライセンスをとっているとなると信用大なのです。
入金フローについて全て人為的ではなく機械的に行われなければ認められませんし、そして自動化されているからこそ、安全に早く全てのフローが行えます。
なのでブローカー都合の出金拒否などは許されませんし、約定スピードも速いです。
完全な信託分別保管は必須である点も安心です。
このように非常に厳しい基準を満たしている優良企業なのにもかかわらず、日本居住者へのFX取引サービスをやめてしまいました。
Pepperstone
実はこの会社もオーストラリア業者で、海外FXネット証券会社の中では一番日本ユーザーが多く、シェア率が高かった優業業者です。
しかし日本の金融庁には金融ライセンス未登録でしたが、日本人顧客に対してのサービス終了を発表しました。
現在でもASIC(オーストラリアの証券管理委員会)からの規制・認可を受けてサービスを行っています。
海外の企業の方がSTP取引という手法を用いていることが多いので、日本より透明性が高くて健全だということも多いのですが、このように日本から撤退させられているケースが多くあります。
■日本金融庁の圧力で今後撤退する業者も
このような事情から、FX業界で海外FX証券会社は日本金融庁の圧力に非常に弱いと言えるのです。
実際はThinkForexとPepperstoneについては、日本の金融庁の圧力というよりオーストラリアの金融庁ASICによる圧力が直接的なきっかけのようですが、そのASICに圧力をかけたのが日本の金融庁という見方もあります。
しかしながらThinkForexが撤退の際に資金の全額返済をするなど、たとえ登録していなかったとしても、顧客のことを考えてサービスを展開している企業もあるということがわかります。
そのような、一番人気のあったPepperstoneでさえ撤退してしまったのですから、今後どこの企業が撤退するのかは予想しにくいというのが現状といえるでしょう。
しかし最低限のチェックはできます。
例えば本当に注意した方がいのは、本当にどこにも登録されていないFX業者でしょう。
いくつかの企業は法人登録番号をさもライセンスであるかのように見せて、サイトページで登録業者のようなふりをします。
そのようなFX企業は、悪質な詐欺業者である可能性が非常に高いので注意しましょう。
そして実はThinkForex、Pepperstoneが日本から撤退した際も、彼らの別会社、子会社がまだ運営をしています。
もし万が一そのような事態になってしまったとしても別会社、子会社の情報を探すことも選択肢の一つとして考えておきましょう。